2021年6月25日
日本ゼオン
新放熱材料の生産開始
電子部品の熱問題解決に貢献
日本ゼオン(田中公章社長)は、独自の製造技術によって開発したシート系放熱材料「VBシリーズ」の生産を開始した。放熱材料として一般的に普及しているグリース系材料と比べ、熱伝導率、耐久性、作業性の面において優位性を発揮、電子部品の熱問題解決に大きく貢献することが期待される。
近年、サーバーや通信機器用チップの情報処理能力の向上に伴い、熱対策へのニーズが上昇。今回、生産を開始した「VB200」は、VBシリーズの標準グレードで、一般的な放熱材料と較べて、垂直方向(Z軸=厚み方向)に高い熱伝導率を備えていると同時に、同社が得意とする特殊エラストマー技術を応用することで優れた耐久性を発揮する。
今後、半導体業界においては、デバイスの小型化、高速化が進むことによって、発熱の問題が一段と重要視されることが考えられる。同社が開発した放熱シートは、これら半導体の高性能化に伴う課題解決に役立つだけでなく、熱マネージメントを必要とするその他電子機器への適用面でも期待されている。
VB200の代表特性は、厚さが80~500㍃㍍、熱伝導率(Z軸)は38㍗毎㍍ケルビン、硬度は96、圧縮率は11%。