〈2021年12月期第2四半期決算説明会〉住友ゴム工業
売上収益は過去最高
市販用で高機能製品拡販
住友ゴム工業(山本悟社長)は5日オンラインで「決算発表会」を行った。それによると売上収益は前年同期比29・4%増の4400億8200万円、事業利益は300億8800万円、(前年同期は23億900万円の損失)、営業利益は285億7600万円(同29億7400万円の損失)、四半期利益は205億100万円(同93億4100万円の損失)となり、売上収益については過去最高を更新した。同社グループでは「2025年を目標年度とした中期計画の実現に向けて経営基盤の強化を目指し、全社プロジェクトを強力に推進するとともに、世界の主要市場に構築した製販拠点の効果の最大化を目指し、各地の顧客ニーズに対応した高機能商品の開発・増販に取り組むなど、グローバル体制による競争力の強化を今後も推進していく」(山本社長)と意欲を示した。
事業利益における増減要因については、原材料の高騰により41億円、固定費増で25億円、経費増により23億円、産業品などによる影響で4億円のマイナス要因があったものの、数量・構成などで194億円、価格で53億円、直接原価によって67億円、為替差益で19億円、スポーツ事業の伸びによる84億円がプラス要因となり、大きな収益を上げた。
セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は前年同期比27・0%増の3692億8900万円、事業利益は234億7700万円(前年同期は8億9500万円の損失)となった。国内新車用タイヤは、世界的な半導体不足の影響などにより自動車メーカーの生産台数が減少したことなどの影響があったものの、前年第2四半期に新型コロナウイルス感染症の影響で販売が落ち込んだこともあり、前年同期の実績を上回った。国内市販用タイヤは昨年発売した新製品などの拡販に努めた結果、前年より販売を伸ばすことができた。海外新車用タイヤは、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復傾向が見られ、前年同期に対して販売が伸長。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域では中国を中心に販売が好調に推移した。欧州・アフリカ地域においては市況が回復。米州地域では、SUV用を中心にセルアウトが好調で高機能商品を含めて販売を伸ばした。
スポーツ事業の売上収益は同72・4%増の514億3900万円、事業利益は55億1800万円(前年同期は29億200万円の損失)となった。ゴルフ用品は、北米や韓国を中心に販売が伸長、テニス用品も同様に伸びた。
産業品他事業の売上収益は同0・1%減の193億5400万円、事業利益は同27・3%減の10億6900万円。衛生用品であるゴム手袋や医療用精密ゴム部品の受注が増加した。
通期予想についても、最近の業績動向を踏まえ、前回発表予想から増収増益で上方修正。売上収益を9300億円(前回予想額9100億円)、事業利益550億円(500億円)、営業利益520億円(同470億円)、当期利益355億円(330億円)を見込んでいる。配当についても、直近の中間配当予想20円に5円を加え、1株当たりの中間配当金を25円に修正。年間配当金は、1株当たり55円とする予定。