2021年9月5日

レイケン
業界初の過熱水蒸気循環装置

より高温のニーズに対応
温水循環装置も発売

カワタグループのレイケン(金子益之社長)は、業界初となる過熱水蒸気循環装置「KCS―8078/600」を10月1日に発売する。

同社ではこれまで高温媒体使用時に熱媒体油を使用した熱媒体油循環装置の販売を行ってきたが、より高温のニーズに対応するため、過熱水蒸気を利用した循環装置を開発した。

同装置は、従来320度MAXの熱媒体油に対して600度MAXの過熱水蒸気を循環することができる。通常の過熱水蒸気発生装置はボイラーや供給水の軟水処理などが必要であるが、同装置は内蔵タンクの水が循環するため特別なユーテリティーが不要な仕様となっている。過熱水蒸気は、飽和水蒸気と違い100度以上であっても低圧(0・1MPa以下)で使用できるため、温調対象物の耐圧が低くて済み、設計が容易になる。

また特許申請中の熱回収システムによって、熱回収システムがない場合と比較し、約10%省エネとなっている。サイズはW2300㍉㍍×D1250㍉㍍×H2000㍉㍍、重量は1800㌔㌘で、販売価格は未定。同社では同装置の販売を年間10台と計画しており、さまざまな産業分野の生産性、品質向上に貢献したいと考えている。

また同社は水でMAX230度まで使用できる温水循環装置「KCT―5012BC/230」を同日発売する。

従来、高温域になると熱媒体油を使用した循環装置が主流であるが、熱伝導、応答性に優れ、オイルミストの発生がなく工場環境にやさしい、水媒体の高温循環装置のニーズも増加してきている。

同社では従来よりも180度MAXで使用できる温水循環装置をラインアップしていたが、超エンプラやその他分野でより高温域で、温調可能な水媒体温調機のニーズが高かったことから、今回の230度MAXでの温水循環装置の開発に至った。

100度以上の高温で使用する温水循環装置は、媒体水が沸騰しないように高圧で加圧する必要がある。今回は加圧ポンプに低騒音、低振動の3連式プランジャーポンプが採用されている。プランジャーポンプでは、オイル交換が必要となるが、交換作業が容易にできるような構造となっている。新型機のサイズはW378㍉㍍×D936㍉㍍×H760㍉㍍、重量は115㌔㌘で、販売価格は未定。年間の販売計画として同社は50台を掲げている。