2021年11月15日

2022年3月期第2四半期決算
ユーシン精機

2ケタ台の増収増益
売上高は回復基調を継続

ユーシン精機(小谷高代社長)は11月9日、オンラインで決算説明会を開催した。説明会には小谷社長、福井理仁取締役が出席し、質疑応答にも対応した。当期の売上高は前年同期比20・4%増の97億2200万円、営業利益は同54・8%増の13億4900万円、経常利益は同57・8%増の14億2000万円、四半期純利益は同56・1%増の10億3000万円と増収増益を果たした。当第2四半期連結累計期間における受注は、前第2四半期連結累計期間と比較して大幅に増加。売上高は特注機において大口案件の回復が遅く、前年同期比では減少となったものの、設備投資意欲の回復に伴い、日本やアジアでの取出ロボットの販売が増加、前期比36%増となり、引き続き中国や北米で販売が好調に推移した。小谷社長は「昨年の下期から続いて中国に投入した新機種での受注が好調だったが、大型の規模の大きな特注機は前期比22%減。欧州、北米向け医療用が低調であった。営業利益は増収による粗利の押し上げが最大の要因。販管費は海上輸送費以外はほぼ想定通りであったが、海上輸送費の値上がりが上期から起きている」と説明を行った。

地域別セグメントでは、日本の売上高は前年同期比27・8%増の70億8400万円、営業利益は同194・7%増の8億800万円。取出ロボットの売り上げが増加したことから、売上高は2ケタ増加、営業利益は3ケタ増加となった。米国の売上高は同14・8%増の19億3700万円、営業利益は同1・8%増の2億6500万円。アジアの売上高は同60・2%増の27億9500万円、営業利益は同199・8%増の3億円。中国での新機種の受注が好調だったことに加え、全体的に売り上げが増加した。欧州の売上高は同62・9%減の4億4188万円、営業利益は同69・2%減の6216万円。特注機の売り上げ減少が影響した。

業種別の売上高については「昨年の9月と今年9月で比較すると、業界別に大きな違いがあることが分かる。昨年は医療においてコロナがあったことで注射器のシリンジ、衛生用品等を含めて医療器の売り上げが通常より多かったという現象が起きていた。また、21年3月期においてもコロナプラス中国で、当社が医療系をターゲットにシェアを伸ばした。この上期はコロナで特別多かった需要というのがほぼなくなってきたということと、中国での1―6月の非常に良かったところが少し落ち着いている。このほか自動車部品、電子部品、雑貨等は全体の設備投資欲の回復で上がってきている」(小谷社長)。

加えて「今年度に、今後の中期目標の増収に向けて本社に隣接している場所の土地を購入した」(同)ことも述べた。

通期について小谷社長は「売上高は引き続き設備投資需要の回復基調を見込んでいる。一方で半導体不足あるいは地域・マーケット固有の要因により、設備投資需要減速の可能性を見込んでいる。特注機は前期比15%増。上期に比べて少し復調してくると考えている。営業利益については仕入高騰によるコストアップ、海上輸送費高騰による荷造運搬費増加も発生すると考えている」とし、売上高は前期比8・3%増の200億円、営業利益は同3・1%増の26億円、経常利益は同0・8%増の26億3000万円、当期純利益は同0・7%増の18億4000万円を計画している。