2021年12月期第3四半期決算
ブリヂストン
調整後営業利益率12・2%
ブリヂストン(石橋秀一CEO)は11月11日、石橋CEO、吉松加雄常務役員、グローバルCFO出席の下、決算説明会をウェブで開き、説明は吉松グローバルCFOが行った。それによると、売上収益は前年同期比19・8%増の2兆4017億5800万円、調整後営業利益は同168・0%増の2779億2200万円、営業利益は2657億7100万円(前年同期は225億4700万円の利益)、四半期利益は4228億4800万円(同241億1800万円の損失)となった。吉松グローバルCFOは「半導体不足の影響を受け、新車用販売が減速したが、プレミアム領域で補修用販売が堅調に推移した。トラック・バス用タイヤの販売が引き続き堅調に推移、COVID―19からの販売回復がやや遅れていた鉱山用タイヤも力強い回復基調に入ってきている。収益性に関しては、第3四半期も引き続き売値・販売ミックスの改善を進め、原材料高騰の影響をカバーしたことに加え、経費・コスト構造改革の効果も寄与し、第3四半期3カ月の調整後営業利益率は12・2%と第2四半期をさらに上回り、〝稼ぐ力〟の再構築は着実に進んでいると認識している」と概要について述べた。
地域別セグメントでは日本の売上収益は前年同期比11%増の6831億円、調整後営業利益は同50%増の549億円。乗用車および小型トラック用タイヤの販売本数は前年同期を上回り好調に推移し、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年同期を著しく上回った。
米州の売上収益は同23%増の1兆468億円、調整後営業利益は同125%増の1474億円。北米タイヤ事業で乗用車および小型トラック用タイヤの販売本数は前年同期を大幅に上回り、トラック・バス用タイヤの販売本数は日本同様、前年同期を著しく上回った。
欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカの売上収益は同29%増の5075億円、調整後営業利益は324億円(前年同期は126億円の損失)となった。欧州では、乗用車および小型トラック用タイヤの販売本数は前年同期を上回り順調に推移、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年同期を大幅に上回った。
中国・アジア・大洋州の売上収益は同19%増の2762億円、調整後営業利益は同98%増の321億円。乗用車および小型トラック用タイヤの販売本数は前年同期を上回り、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年同期を大きく上回った。
通期については「為替はUS㌦、ユーロともに今年8月に発表した見通しから若干の円安を想定。原材料価格は引き続き年間を通して高値圏で推移することを想定している。タイヤ需要については半導体不足の影響により、新車用の需要は今年8月の計画から大きく下振れる見込み。補修用についてもアジア地域におけるCOVID―19感染拡大の影響により、需要下振れを予想している。さらに第4四半期の事業環境として原材料のみならず、海上運賃、エネルギーなどのコスト高騰、また北米での労務費上昇など、収益性低下要因が想定されている。そのような状況下、当社は売値ミックスの改善、経費コスト構造改善に注力することでさらなる稼ぐ力の再構築を推進し、収益性低下要因を吸収しながら今年8月にご提示した通期業績予想の達成を目指している」(吉松グローバルCFO)。直近発表の業績予想からの修正はなく、売上収益は前期比18・3%増の3兆3200億円、調整後営業利益は同84・7%増の3600億円、当期利益は3250億円を計画している。