日本ケミカルシューズ工業組合
モノづくりの魅力共同発信
健康志向アイテムも
日本ケミカルシューズ工業組合(新井康夫理事長)は1月19、20の両日、神戸市中央区の神戸国際展示場の2号館において「第171回 2022夏 日本グランドシューズコレクション&全国サンダルフェア2022」を開催した。全日本ケミカルサンダル工業協同組合連合会に加盟するサンダルメーカーが同一会場でブースを構えたほか、豊岡鞄が特別出展し、同じく地域団体商標登録されている〝神戸シューズ〟と同じコーナーで展示することで、地域発のモノづくりの魅力を共同で発信した。
会場では消毒や換気、身体的距離の確保など新型コロナウイルス感染防止対策を徹底。入館前に専任のスタッフが手指の消毒の要請と検温を行ったほか、各所に消毒薬を配置するなど、ウィズコロナにおける展示会としての体制を万全に整えて開催に臨んだ。
会場に足を踏み入れると、一般からシューズデザインのアイデアを募集した「日本ファッションシューズコンテスト2022」の応募デザイン画と、そのデザインを元に実際に靴として製作された作品を展示。シューズにおけるクリエイティブな可能性とユニークな発想における拡張性が表現されており、来場者の注目を集めていた。
出展内容の傾向としては、夏ものがテーマながら、シーズン定番のサンダルよりもむしろ、パンプスやスニーカーが存在感を発揮。いずれもカジュアル色を強めており、パンプスについてもオープントゥやサイドオープン、シースルーなどムード的に涼感を引き立たせるアイテムが目立っていた。アッパーへのメッシュやチュールといった素材遣い、セパレートとストラップの組み合わせやレースアップ仕上げなど、シルエットはパンプスとサンダルのハイブリッドなデザインが主流。ファッションの傾向としては、ギャザーやシャーリングといったひと手間加えたデザインのほか、ディテールにおいてはパンチングに加えビジュー、ラインストーン、メダルやチェーン、リボンを巧みに取り入れることでグリッターな要素も醸し出していた。
スニーカーについては、スポーティーなイメージよりも、ストリートカジュアルなテーストが濃厚に浸透。ファッション的にはフェミニン寄りで、厚底スタイルもタウンカジュアルのムードが色濃く出ており、ステッチやモチーフによってガーリーとの中間にカテゴライズされそうなアイテムも見られた。
新たな付加価値として室内履きを前提とした健康志向をうたうカテゴリーも浮上。履いて歩くだけで体幹を整える効果が得られるなど、室内や家の周辺での着用を想定したもので、出展社によると「自宅勤務や外出機会が制限される環境にあって、室内で少しでもフィットネスの効果を得たいという声を靴の機能として反映させた。今回はこれがいち押しの商品であり、来場者の関心も集めている」と話していた。