2022年2月5日

ポリプラスチックス
POM重合能力増強

中国江蘇省に製造設備建設

ポリプラスチックス(塩飽俊雄社長)は中国江蘇省南通経済開発区南区に、新たにポリアセタール(POM)製造設備を建設することを正式に決定した。

現在同社グループは富士工場、高雄工場、クアンタン工場、南通工場の世界4カ所にPOMの生産拠点を持ち、年間29万㌧の供給能力を有している。このうち、中国の南通経済開発区の方針によって、昨年3月に同北区にある化学工業企業の操業停止要請が出されたため、PTM Engineering Plastics(Nantong)が保有する南通工場の代替能力の準備を急ぎ進めてきた。新会社における生産能力は2段階で合計15万㌧とすることが予定されており、先行して実施される2024年11月の9万㌧の操業により前述の既存設備の操業停止による影響をカバーするとともに、最終的には15万㌧の供給能力とするとしている。

同社グループは今回の投資によって世界的におう盛なPOM需要を持つ中国に対して、高雄工場および今回の中国本土の新規製造拠点から自社の持つ中国国内需要をカバーする体制を整え、リードタイム・輸送コストの削減等の改善を図り、顧客ニーズにこたえていく。その他の既存設備については、12年以降市場開拓を進めている欧米やアセアンなどといった他の新市場への供給能力として確保し、一層グローバル展開を加速させる。

POMは機械特性、しゅう動性、成形性に優れたエンジニアリングプラスチックとして、自動車部品、OA機器や家電製品の部品のほか、ファスナーやバックルなどの日用品にまで幅広い産業分野で使用されている。

世界の経済成長とともに、同社が実施した14年のマレーシアでの9万㌧の増設以降も市場は順調に拡大。これまでに培ってきた技術を導入し、品質のみならず、POM生産設備として世界最高レベルの省エネルギー化を実現しており、今後も各種環境配慮型原燃料へのアプローチなど研究課題に全社を挙げて取り組んでいく。