2022年2月15日

三菱ケミカル
エンプラ事業強化へ再編

MEPの一部株式を譲渡
事業の一部吸収分割

三菱ケミカル(和賀昌之社長)は、同社エンジニアリングプラスチックス事業の強化に向けて持分法適用会社である三菱エンジニアリングプラスチックス(本社・東京都港区、駒谷隆志社長、以下、MEP)の一部株式を三菱ガス化学(本社・東京都千代田区、藤井政志社長)に譲渡を行うと同時に、MEP事業の一部を吸収分割によって取り込むなど、事業の再編のための施策を実施することとした。

三菱ケミカルホールディングスグループは、経営方針「Forging the future未来を拓く」に沿って、効率性を追求した事業運営と事業の成長力を引き出す明確な戦略に基づいてポートフォリオ改革を推進している。今回、MEPから吸収分割で取得するポリブチレンテレフタレート事業および「ザンター」を含む特殊ポリカーボネート事業のより一層の高付加価値化を行うとともに、重合技術およびコンパウンド技術などを軸に、同社が有するバイオエンプラ「デュラビオ」をはじめとする各種エンジニアリングプラスチックス事業とともに、高機能ポリマー事業として持続的成長を目指す。

また、同社の広範な海外拠点などグローバルネットワークの活用や幅広い技術面でのシナジーの発揮によってエレクトロニクスやモビリティ、メディカルなどの成長分野において高付加価値戦略の下、事業拡大を一層加速させるとともにサステイナブル資源の利用やリサイクル技術の開発など、カーボンニュートラル実現に向けた新たな価値の提供においても積極的な取り組みを行っていく。

MEPは、1994年に三菱ケミカルと三菱ガス化学の折半出資で設立されて以降、国内外27カ所に事業拠点を広げ、顧客に密着した技術サービスと顧客ニーズにこたえる幅広い製品を提供している。ポリカーボネート(PC)の世界シェアは10%超で、販売会社として世界第3位を占めている。

三菱ケミカルは先述の基本的考え方の下、MEPの株式25%を来年4月3日付けで三菱ガス化学に譲渡することで、三菱ケミカルによるMEPの株式保有比率は25%となり、MEPは三菱ガス化学の連結子会社となる。

また、MEPはPCの製造販売会社として事業活動を継続し、その他の事業については三菱ケミカルおよび三菱ガス化学グループにそれぞれ吸収分割することとした。三菱ケミカルとしてはMEPのポリブチレンテレフタレート事業およびザンターを含む特殊PC事業を吸収分割の形で取り込み、事業の強化・拡大につなげていく。

なお今回の再編により、MEPはPC専業会社として三菱ガス化学の連結子会社となるが、三菱ケミカルとしても25%の出資を継続し、三菱ケミカル福岡事業所において高品質PC製品の製造をMEPから受託の形で行うなど、今後も一定の役割を果たしていく。