カーボンブラック協会
2022年需要見通し発表
21年は15・6%増
22年は19年レベル相当予測
カーボンブラック協会(長坂一会長)は2月10日、2022年のカーボンブラック需要見通しをオンラインで発表した。
初めに「昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済の回復が見込まれたが、労働者不足、湖岸停滞による物流の混乱が大きく影響した。半導体不足による電子部品を使用している電気機器や自動車の生産も夏場に調整が入った。カーボンブラック指標は第2四半期、前年同期比で大きく回復、後半は自動車タイヤの影響を受けて第3四半期に回復が鈍化。第4四半期は前年比プラスではあるが、調整が入った。通年では前年比15・6%増の71万2307㌧となった。
今年の景況としては内閣府の1月の月例報告では新型コロナウイルス感染症・オミクロン株の影響による厳しい状況は緩和されつつあるが、内外の感染症による影響や物流供給面での制約、原材料価格の動向による下振れリスクに留意が必要。一方、世界経済成長率見通しは世界銀行が前年予測の4・3%から4・1%と0・2㌽下方修正。IMF(国際通貨基金)は4・4%で、これも0・5㌽下方修正を行い、予断を許さない」(同協会)と、カーボンブラック業界を取り巻く状況等も交えて説明が行われた。
需要予測の前提ベースとして、今年の自動車生産台数は前年比18・0%増の920万9000台の予測となっており、日本自動車タイヤ協会では今年の自動車タイヤ見通しについて国内需要は2ケタ増加と予測している。また日本ゴム工業会は新ゴム消費量についてゴム産業全体では同7・9%増の135万1700㌧、このうち自動車タイヤ・チューブは同8・2%増の109万6210㌧、一般ゴムで同6・6%増の25万5490㌧といずれも増加と予測している。このほか輸出入状況も加味され、こうしたデータを基に予測された数値となっている。
今年のカーボンブラック総需要(輸出入込み)は前年比6・4%増の75万7840㌧と予測。「コロナ前の19年と比較すると93%で、まだ完全に回復した状態ではない。22年の見通し75万7840㌧を19年と比較すると99%と、下振れリスクは含んでいるものの、大体19年レベルに今年は戻るであろうと見通している」(同協会)。
カーボンブラック需要見通しの内訳だが、ゴム用は前年比6・9%増の64万9886㌧。このうちタイヤが同7・0%増の50万4257㌧、一般ゴムが同6・6%増の14万5629㌧、非ゴム用は同6・0%増の4万9954㌧で、内需の合計は同6・9%増の69万9840㌧と予測している。また輸出に関しては同0・8%増の5万8000㌧、このうちゴム用は同0・2%増の1万7600㌧と予測した。一方、輸入動向の予測については同6・0%増の15万9890㌧と予測。このうちゴム用は同6・0%増の14万4890㌧、非ゴム用は同6・0%増の1万5000㌧となっている。