信越化学工業
一液型液状シリコーンゴム新製品
硬化特性や安全性などを改善
信越化学工業(斉藤恭彦社長)は、新規硬化タイプの一液型液状シリコーンゴム「KCPシリーズ」の新製品を開発した。硬化反応時に、環状ケトンの一つで揮発性を持つ無色液体であるシクロペンタノンを放出するタイプで、現行品の硬化特性や安全性、取り扱い性などを改善、顧客の期待にこたえる製品となっている。
一液型液状シリコーンゴムは、空気中の水分と反応して室温で硬化。硬化後は耐熱性、耐寒性、電気特性、耐候性など、優れた特性を兼ね備えていることから、電気自動車(EV)部品や半導体、電気・電子部品などの接着・シール材、コーティング材として使用されている。室温で硬化することから加熱炉や紫外線(UV)照射設備が不要で、環境負荷の低減に貢献する。
KCPシリーズは硬化速度が速く、接着効果が速く現れることから作業効率が向上、KCP―102の指触乾燥時間(表面を指で軽く触っても、指につかない状態になるまでの時間)は、従来品KE―4898―Wに対して2分の1の3分にまで短縮した。硬化時に発生する臭いが少なく、安全性にも優れている。引火点が70度以上と高いことから、輸送や貯蔵時の取り扱いの手間を削減。各種樹脂との接着性が良好で、金属の腐食性もほとんど生じない。粘度別に低粘度のKCP―100、中粘度の同101、ペースト状の同102の3製品をラインアップ。いずれもチューブの容器から押し出すだけで簡単に作業を行うことができる。
同社では、今後も顧客の要望に対応し、各種機能を付与した製品を開発し、製品の品ぞろえを拡充していく。また、これまで培ってきた技術力とノウハウを生かして高機能のシリコーン製品を開発し、供給することで顧客のさまざまな課題解決に努め、持続可能な社会の実現に貢献していく。