2022年5月10日

横浜ゴム
摩耗状態推定する技術開発

タイヤ内のセンシング波形から

横浜ゴム(山石昌孝社長)は、アルプスアルパイン(栗山年弘社長)と共同開発中のタイヤ内面貼り付け型センサーから得られるセンシング波形を独自の信号処理技術を用いて解析することによって、乗用車用タイヤの摩耗状況を検知する技術を開発した。これにより、タイヤ内面に貼り付けられたセンサーを通じて、走行中のタイヤの繰り返し変形に応じたセンシング波形を取得、独自の解析手法を用いることで新品と摩耗品の判別が可能となった。

今回の開発により、タイヤ寿命を伸ばす効果のあるタイヤローテーションやすり減ったタイヤの交換時期をドライバーや車両管理者に通知することで、経済的・環境的負荷の低減や安全性を考慮したタイヤメンテナンスを実現。自動運転車両では、タイヤの摩耗状態をドライバーや車両管理者が目視で確認する機会が減ってしまうことから、摩耗状態をクラウド経由で“見える化”することによって、モビリティサービスの安全で持続的な運行に寄与することができる。

横浜ゴムはCASE、MaaSへの対応策として、センシング機能を搭載したSensorTire(IoTタイヤ)の開発と機動的なサービス力の強化による新たなタイヤソリューションサービスの展開を掲出。昨年2月には乗用車用タイヤセンサーの中長期的な技術開発ビジョン「SensorTire Technology Vision」を発表、IoTタイヤから得られた情報を利用するドライバーや同乗者、さまざまな事業者などの消費者にシームレスに提供することによって、新たなモビリティ需要の多様な変化に対応しながら、安心・安全な運行に持続的に貢献する状況を目指している。この実現に向けた活動の一環として、異業種との実証実験も行っている。