2022年6月15日

〈総会〉西日本プラスチック製品工業協会
協会体制組み換えで改選

岩﨑氏(岩崎工業)会長就任

西日本プラスチック製品工業協会(下俊男会長)は6月2日、大阪市中央区のシティプラザ大阪において「第54回定時総会」を開催した。実際の会場に集結して催される総会は3年ぶりで、新型コロナウイルス感染者の感染拡大は下火になりつつあるものの、先行きが見通せないことから懇親懇談会は見送られた。同様の事情も鑑みてオンライン参加の方法も開かれ、ハイブリッドでの開催となった。役員改選の時期ではないものの、協会体制の組み換えの意味もあって理事・役員を改選。新会長として岩﨑能久氏(岩崎工業社長)が就任、副会長には泉夏樹氏(泉製作所社長)、小島孝彦氏(角一化成社長)が就いた。

開会にあたってあいさつに立った下会長は「2021年もコロナ禍の影響に大きく振り回され、そうした状況下において浮き彫りとなった生産現場におけるサプライチェーンの弱さという課題についても、その強化に向けた数々の支援策によって事業も回復に至った。しかしながら、原材料高騰やエネルギー不足、円安などといった厳しい状況がわれわれの事業を取り巻いている。カーボンニュートラルへの取り組みにも向き合っていく必要があり、プラスチック製品の生産業者が手掛ける取り組みの一端としては、カーボンニュートラルという目的に沿ったプラスチックの開発であり、この動きに向けては今後も注視していきたい。当協会としては、22年も〝危機感を持ってチャレンジをしよう〟というスローガンの下、人材育成や経営者の資質や知識の向上を目的としたセミナーやスクールなどといった事業を数多く実施してきた。ここ数年間はコロナ禍によって実施計画が二転三転し、思い通りにスケジュールをこなすことは叶わなかったが、オンラインを駆使するなど可能な限り実施してきた。その結果、参加者が増えたことによって想定外のメリットが表出し、新たな手法として活用するという道も開けた。工夫によってピンチをチャンスに変えられる自信もついたことで、当協会としては今後もさまざまな事業に対して積極的に取り組んでいく」と述べ、業界の発展に寄り添う協会としての姿勢を伝えた。

来賓として近畿経済産業局の原田敏行産業部長が祝辞を述べた後、総会は協会員330社のうち、会場39社、委任状137社による176社の出席を得て適法に成立。下会長が議長を務め、議事が進行した。2021年度事業報告、収支決算報告、22年度の事業計画案、収支予算案が審議され、原案通り全員一致で可決された。

役員改選が行われ、新役員による役員会によって新執行陣が発足。新たに選任された岩﨑新会長は「当協会はプラスチック製品製造と関係会社を合わせると420社という大きな規模を誇る。事業として実施している講座数も日本屈指であり、そうした事業団体の会長としての任を預かったからには、業界と協会の発展に誠心誠意打ち込ませて頂こうと思う。プラスチックという材料は、60年程度と歴史は浅いが、金属などとともに4大素材としての位置付けにある。これらを使用している製品は、使用素材の置き換えが進んでおり、独創的な物性を引き出せるプラスチックは、新たな可能性を秘めた有望な素材と言える。タイムリーな情報を発信することで、チャンスを生かしていきたい。SDGs、DXについても新しい価値創出に向けた手法として対応していく。これからはさまざまな観点から業界の発展に力を尽くしていきたいと考えており、ご協力をお願いしたい」と述べ、新会長としての意気込みを伝えた。

引き続いて退任する理事に対し、長年の功績に対する感謝状が岩﨑新会長によって贈られた。

総会後には21年度通信教育講座修了式を実施、講演会も行われ、早稲田大学大学院経営管理研究科教授、ビジネスブレイクスクール大学客員教授、九州大学ビジネススクール非常勤講師を務める長内厚氏を講師に招き「アフターコロナの日本の企業戦略~経営とモノづくりの現場から~」をテーマとした講話が繰り広げられた。