2022年6月25日

横浜ゴム
「TPRS」の実証実験開始

京都のタクシー会社と協力実施

横浜ゴム(山石昌孝社長)と、タイヤ販売子会社であるヨコハマタイヤジャパンは京都タクシー(本社・京都府亀岡市、川本惠三社長)、興進タクシー(本社・京都市南区、濵田典亨社長)の協力を得て、タイヤソリューションサービスとして横浜ゴムが開発したタイヤ空気圧の遠隔監視システム「TPRS(タイヤエア・プレッシャー・リモートアクセス・システム)」の実証実験を5月から開始した。実証実験は京都タクシーおよび興進タクシーの車両に横浜ゴム開発のタイヤ内面貼り付け型空気圧センサー付きタイヤおよびTPRSを導入し、京都府およびその近郊エリアで実施されている。

今回の実証実験はCASE、MaaSなど自動車業界の変革に対し、横浜ゴムのTPRSおよびタイヤ内面貼り付け型空気圧センサーの効果を検証。TPRSはタイヤ内面貼り付け型空気圧センサーが検知したタイヤの空気圧や温度、車両の位置情報を車両管理者やタイヤサービススタッフがリモートで把握することができるシステム。タイヤ空気圧の始業前点検の大幅な省力化および空気圧情報の記録化、タイヤの空気が徐々に抜けるスローパンクチャーの早期発見、タイヤメンテナンスの適切な実施、点検のバラつき防止、リアルタイム異常検知による事故防止、適正空気圧維持による燃費向上などに貢献する。検知データはクラウドサーバーに送られ、車両管理者や横浜ゴムの営業所でタイヤ空気圧の見える化を実現し、燃費の悪化の原因となる低空気圧での走行を防ぐために空気圧が低下した場合やスローパンクチャーの恐れがある場合には、事務所内に設置した警報装置で管理者に通達される。また、タイヤ内面貼り付け型空気圧センサーは従来のバルブ式TPMS(タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム)と異なり、装着ホイールを選ばないため、アフターパーツとして多種多様の車両、ホイールに採用することができる。

TPRSの実証実験はカンパニーカー向けや、カーシェアリング事業者向けとして行われてきたが、今回同じく厳しいタイヤ管理を求められるタクシー事業者向けの実証実験を行うことで、安全性や経済性の向上に貢献するビジネスモデルの確立を目指す。

横浜ゴムはCASE、MaaSへの対応策として、センシング機能を搭載したSensorTire(IoTタイヤ)の開発と、機動的なサービス力の強化による新たなタイヤソリューションサービスの展開を掲出。昨年2月には乗用車用タイヤセンサーの中長期的な技術開発ビジョンの発表を行い、IoTタイヤから得られた情報をドライバーやさまざまな事業者に提供することで新たなモビリティ需要の変化に対応しながら、安心・安全な運行に持続的に貢献することを目指しており、この実現に向けた活動の一環として、異業種との実証実験を行っている。