横浜ゴム
国内最大の屋内氷盤旋回試験場
北海道タイヤテストセンターに開設
横浜ゴム(山石昌孝社長)は、北海道旭川市のタイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido)」(以下、TTCH)に、冬用タイヤの氷上旋回性能をテストする屋内氷盤旋回試験場を開設し、1月5日より稼働を開始した。同試験場は氷盤旋回の屋内試験施設としては国内最大を誇る。
屋内氷盤旋回試験場は、凍結路面において氷上制動性能の次に重視される氷上旋回性能のさらなる向上を目指して開設。屋外試験と比べ、天候や気温など外的要因の影響を受けにくく氷面状態を安定的に保つことができることから、試験データの精度が向上し、より高度な技術開発を効率的に行うことができる。構造は鉄骨造平屋建て、建物寸法は全長56㍍×全幅56㍍、室内高(最高部)12・3㍍、延床面積3136平方㍍、氷盤面積は1960平方㍍で、旋回半径10~22㍍までの試験が可能となっている。
同社は2015年12月にTTCHを開設。以来、タイヤ事業のグローバルな拡大に対応するため、試験・評価手法の高度化を進めてきた。冬用タイヤ向けでは18年1月に屋内氷盤試験場を開設し、20年11月に同施設に氷の表面温度を基準の室温が5度の場合、マイナス10~0度までコントロールすることができる国内最大級の冷媒装置を設置。今回完成した旋回試験場は、屋内氷盤試験場に隣接しており、両施設での試験を効率的に組み合わせ、安全性をさらに高めた冬用タイヤの開発を加速させていく。
冬用タイヤのテストコースはTTCHのほかに、スウェーデンにYOKOHAMA TEST CENTER of SWEDEN(YTCS)を設置。TTCHでは世界中で販売するすべての冬用タイヤの試験を行い、YTCSでは主に欧州向け商品の確認評価を実施しており、各国・地域に最適な商品開発を推進している。
【北海道タイヤテストセンターの概要】
▽所在地=北海道旭川市神居町上雨紛500
▽敷地面積=90万6462㎡
▽試験対象=乗用車およびトラック・バス向け冬用タイヤ(春から秋は夏用タイヤの試験にも活用)
▽試験コース=速度が時速100㎞超での高速試験が可能な直線約1㎞の圧雪路を持つ全長2・3㎞の周回路、氷盤路、雪上/氷上登坂路、雪上/氷上旋回路、こう配5%の全長1・1㎞の圧雪ハンドリング路