2023年3月15日

ユーシン精機
今年10月に設立50周年

ショールーム見学会、祝賀会開く

プラスチック射出成形品取出ロボットのトップメーカーであるユーシン精機は2月24日、今年10月に設立50周年という企業としての大きな節目を迎えることから、周年記念イベントの一環として、多くの取引先を招いて新たに開設されたショールーム(京都市南区久世築山町487、テクニカルセンター1階)の見学会を開催した。また、同日の夕刻からはホテルグランヴィア京都において「設立50周年記念祝賀会」も開かれ、主催者を代表してあいさつに立った小谷眞由美名誉会長と小谷高代社長は、「この時を迎えることができたのも、ひとえに皆様方の多大なるご支援ご厚情の賜物」と、すべての関係者に深い感謝の気持ちを表した。

当日、同社本社において受付を済ませた見学会の参加者は、本社から送迎バスでショールームへと移動。2月1日にオープンしたばかりの新ショールームは、本社の近傍に位置するテクニカルセンター1階部分に設けられており、地元京都市内の街並みを車窓から眺めながらほんの数分で現地へと到着した。

入館してすぐに目に飛び込んで来たのは、同社のこれまでの歩みや現在の取り組みなどを紹介するコーポレートエリア。創業以来、〝ものづくり〟の現場の自動化に貢献し続けてきた強い〝想い〟と、企業としての姿勢を肌で感じとれる装いとなっており、見学者は同社の歴史に触れることができる映像や展示物を視聴した後、製品群が展示されているエリアへと足を進めていった。ショールームは2016年に竣工した同社本社棟と同様、〝白〟を基調とした明るくクリーンな空間を演出。主力ハイエンド機である「FRA」や「HST」など各種の高速・超高速取出ロボット14機が展示されており、プラスチック製品取出ロボットのほかにも、物流業界向けの段ボール箱をパレタイズするシステムや自動化システムなど全3カ所のエリアで構成されている。またクリーン仕様装着機種によるクリーン度測定、ゲートカット、簡易検査といった各種のテストを行うテストルームも完備されており、担当者から詳細な説明を受けながら、実際に稼働している製品を目の当たりにすることができた。通常のショールームへの来館については予約制となっており、営業担当者もしくは近隣の営業所への申込みが必要となる。同社では商品の展示を通じて技術総合力をアピールし、稼働している取出ロボットやシステムを見てもらいながら商談を行うことでいっそうの販売拡大を目指していく。

見学会の終了後は、会場をホテルグランヴィア京都に移して祝賀会を開催。パーティーには同社のユーザーや仕入れ先をはじめ、西脇隆俊京都府知事、門川大作京都市長、村田大介京都経済同友会代表幹事などの来賓も駆け付け、総勢250名の出席者がにぎやかに同社の設立50周年の節目を祝い合った。冒頭、あいさつに立った小谷名誉会長は「当社が京都市東山区で小さな町工場としてスタートしたのは1973年10月でした。創業者・小谷進は〝無〟からの出発であったため、信用ある会社になりたいという願いを込めて社名をユーシン精機(有信)と名付けました。当初はご注文頂ければ、さまざまな自動化に寄与する機械を手掛けて参りましたが1978年から、プラスチック業界の発展とともに、国内の幅広いお客様のご要望にこたえるべくプラスチック成形品取出ロボットのメーカーとして歩みを進めて参りました。創業者は〝ハートフルテクノロジー〟という考えを常に大切にしていて、社名のユーシンには『有心』という意味も込めたいと考えていました。時代が変わり世の中も変化を遂げていく中で、当社はこの先も皆様から信用して頂ける会社となるようさらに努力を重ねて参ります」と、今後とも変わることのない企業としての姿勢を示した。

引き続き、登壇した小谷高代社長は「創業当時は京都東山の鴨川河畔、京町屋の〝鰻の寝床〟と言われる間口1192㍉㍍、奥行き13㍍の路地の奥で事業を開始し、完成した製品はいったん分割して狭い路地を通して表通りに運び出し、トラックの荷台で再び機械を組み直してユーザーの元にお届けしていました。これまで当社が大切にしてきたことは、お客様の要望の実現に向けて〝本質〟をとらえていく、という考え方です。これは創業者から脈々と受け継がれてきた指針で、一緒に仕事に取り組む機会はありませんでしたが、日常の中で『周りの人が言っているからといって必ずしもそれが正しいとは限らない。自身の考えで本質を探し求めていきなさい』と、よく話をしてもらいました。また、当然のことながら、誠実に真面目に仕事に打ち込むことの大事さも創業者の姿を通して深く心に刻まれています。社名に込められた信用ある会社であり続けるため、健全な財務体質を基盤に、より良い会社の実現に向けて力を尽くしていきます。難題がたちはばかるたびに創業者は『できない、無理だ、は出発点』と前向きにとらえ、自らを鼓舞しながら課題をクリアしてきました。当社はその教えを大切にしながら、一つだけの考えにとらわれることなく、ポジティブに粘り強く目標に向けて挑戦を続けて参ります。これからもお客様のお困り事、時代が抱える課題を解決する商品を開発し、社会に貢献を果たすことを信条にまい進していきます」と未来を見据えた想いを表した。