積水化学工業
次世代エアモビリティ開発・製造企業と資本業務提携
各種材料・技術の適用を推進
積水化学工業(加藤敬太社長)は、次世代エアモビリティ(Advanced Air Mobility、以下、AAM)市場において、電動垂直離着陸(Electric Vertical Take off and Landing、以下、eVTOL)機体およびドローンの開発・製造を行うVolocopter(本社・ドイツ・ブルッフザール、ダーク・ホーケCEO)と資本業務提携契約を締結した。今後、eVTOL機体や関連するインフラ整備において、積水化学工業の各種材料・技術の適用を目指す。
AAMはeVTOLおよびドローンを用いた航空輸送システムで、その中でもeVTOLは、既存の民間航空機やヘリコプターと比べて、電動駆動であることから、温暖効果ガス排出量が少なく、離着陸時の騒音も小さい持続可能な新しい輸送手段として期待されている。日本国内においても、2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)「未来社会ショーケース事業」内で、初のeVTOLによる「空飛ぶクルマ」運航事業が計画されている。
積水化学工業グループでは、長期ビジョン〝Vision 2030〟に定めた戦略事業領域の一つに「イノベーティブモビリティ」を位置付け、航空・自動車・エレクトロニクス分野での事業拡大に注力。提携先のVolocopterは、独自のマルチコプター型eVTOL機体と、機体の運用に必要なインフラを開発することによって、AAM事業の立ち上げを世界の競合企業に先立たさせて進めている。Volocopterは24年に、欧州航空安全機構(EASA)よりeVTOL機体の型式証明を取得、パリ、ローマ、シンガポールとサウジアラビアのネオム地域などでの商用運航サービスの開始を計画している。
積水化学工業は、Volocopterが開発しているeVTOL機体向けに、航空・自動車・エレクトロニクス分野で培った各種材料・技術の適用・共同開発に加え、日本におけるVolocopterの事業拡大の支援を目的に、今回、資本業務提携契約を締結。これにより、新しい輸送インフラの発展やサステナビリティの向上に貢献していく。
積水化学工業では、戦略事業領域を拡大・強化する目的からスタートアップ企業やアカデミアとの協業を加速。新技術・新事業の探索に向け、今後も同様の提携を推進していく。