TOYO TIRE
トラック・バス用スタッドレスタイヤ「M939」発売
高いアイス性能、耐摩耗性能両立
TOYO TIRE(清水隆史社長)は、トラック・バス用スタッドレスタイヤ「M939(エムキュウサンキュウ)」を8月1日から国内市場で発売する。
国土交通省の調査によると、近年では一日当たりの降雪量が増加傾向にあり、短時間で大雪に見舞われる事例が多くなっている。昼夜問わず、全国各地を走行するトラック・バスのスタッドレスタイヤは、深雪や凍結した路面をとらえる性能の強化が必要。一方、年間の累計降雪量は減少傾向にあり、積雪のないアスファルト路面での走行が増えることから、摩耗ライフの向上による使用期間の長期化も求められている。
また、運輸・運送業界ではトラックドライバーや整備士などの確保が慢性的な課題となっており、2024年4月から施行予定の働き方改革関連法の下、ドライバーの時間外労働時間の上限が引き下げられることから、車両メンテナンスにかける時間、費用、人員の効率化に向けた取り組みが進んでいる。これに伴い、タイヤについても交換やローテーション頻度の極小化に対するニーズが高まっている。
同社は日本国内における昨今の気象の特長やトラック・バス業界を取り巻く社会課題を踏まえ、高いアイス性能と耐摩耗性能を両立し、低メンテナンス性を向上したスタッドレスタイヤ・M939を開発した。
パターン設計では、タイヤトレッド面のブロック内に波型のサイプを高密度で配置することでエッジ要素を確保。タイヤ内のサイプ総延長を同社従来品(M929)比13%アップし、アイス路面でのエッジ効果を発揮する「高密度ウェーブサイプ」、大型化されたブロックを周方向に連結させることでブロックの倒れ込みによる接地領域減少を抑制し、グリップ力を発揮する「周方向連結ブロック」、4本の主溝幅をM929比同等とすることで雪の目詰まりの抑止効果を確保する「ワイドメイングルーブ」を採用し、氷雪上(アイス・スノー路面)での性能向上が図られている。アイス制動性能はM929比で4%短縮させた。
加えて偏摩耗抑制、摩耗ライフおよび低メンテナンス性向上に向けては、接地圧力の高いセンター部分のブロック幅を広げることでタイヤ接地幅方向の圧力を均一化する「ワイドセンターブロック」を採用。これにより、センターブロック面積比率をM929比で20%アップさせた。周方向連結ブロックを採用することで、ブロックの前後剛性を向上(ブロック前後剛性はM929比で36%アップ)。接地に伴うブロックの過度な動きを抑制し、偏摩耗の発生を低減させ、摩耗ライフと低メンテナンス性に効果を発揮する。これによって推定摩耗ライフはM929比で7%向上、偏摩耗の発生を同45%低減させた。さらに、積雪のないアスファルト路面での走行も考慮し、転がり抵抗の低減も実現した。発売サイズは17・5㌅の225/80R17・5 123/122L~22・5㌅の285/85R22・5 146/143Jの全13サイズで、価格はオープン価格。