ダイセル
ITRIとパートナーシップ契約
スタートアップ支援
ダイセル(小河義美社長)は、世界をリードする技術研究開発機関の一つである台湾の工業技術研究院(本拠地・台湾新竹県、李世光董事長、以下、ITRI)と先月26日付けで、スタートアップ支援のパートナーシップ契約を締結した。
ITRIはこれまで、研究所内で開発した技術の移転を通じて台湾でのスタートアップ創出と、成長加速に重要な役割を果たしてきた。なお、日本企業とのパートナーシップ締結はダイセルが初となる。
この契約で提供される「DAICEL Cooperate Accelerator Program」(以下、プログラム)は、ダイセルの持つ研究技術やイノベーションの種の事業化加速に向けて、ITRIが台湾でのダイセルとスタートアップの協業を中心に、事業化支援することに焦点を当てたもの。互いのシナジー効果により、日本と台湾の間の技術革新と産業協力に利益をもたらし、革新的な技術サプライチェーンとなることが期待される。これにより、会社を超えた共創のバリューチェーン構築に向けたダイセルの取り組みを加速させていく。
プログラムは、参加スタートアップに▽メンターシップ=ダイセル、ITRI、両組織からの経験豊富な業界の有識者や研究者からの指導とサポート▽顧客と市場=ダイセルのグローバルネットワーク内の潜在的な顧客やパートナーとの連携▽技術的専門知識=ITRIの最先端の研究成果およびダイセルの先進的な化学材料と生産技術のリソースへのアクセスを提供する。
契約初年度である本年にはAI、スマートマニュファクチャリング、IoT、半導体関連材料、バイオメディカル、バイオマス由来樹脂、光学レンズ、有機半導体の分野から10社程度の提携先スタートアップとの協業可能性について検討を行う。
1973年に設立されたITRIは、台湾の産業を労働集約型から革新駆動型へと変革する上で重要な役割を果たしてきており、これまでにUMCやTSMCなどといった有名なスタートアップやスピンオフ企業の育成に尽力してきた。台湾本部のほかに米国、ヨーロッパ、日本にも支部を設け、研究開発の範囲を広げ、世界中で国際協力を推進している。