日本触媒
経営統合に向けた親会社設立 ~三洋化成工業と最終契約を締結~
日本触媒(五嶋祐治朗社長)および三洋化成工業(安藤孝夫社長)は11月29日、それぞれの臨時取締役会において、共同株式移転の方式によって両社の親会社となる「シンフォミクス株式会社」を設立し、経営統合を行うことを決議し、最終契約を締結した。両社は株式移転の効力発生日の2年後をめどに、統合持株会社および両社の合併を実行することを基本方針としている。
三洋化成工業では経営統合の決議と同時に、今回の経営統合の統合効果を最大限に引き出す目的から、高吸水性樹脂事業を営む三洋化成工業連結子会社であるSDPグローバル(出資比率は三洋化成70%、豊田通商30%)を、豊田通商が保有するSDPグローバルのすべての株式を取得することで、完全子会社とすることに決めた。
両社では、従来より化学品原材料の取り引き関係を持っていたが、それぞれの経営上の課題について議論を進めていく中で、〝Techno Amenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します〟を企業理念とする日本触媒と、〝企業を通じてよりよい社会を建設しよう〟を社是とする三洋化成工業の間において、企業を通じて社会貢献を行うという両社の掲げる理念・社是に親和性があることを認識。それぞれの強みと経営上の課題が相互に補完関係にあるとの認識に至ったことで、両社では経営統合を含めたさまざまな選択肢についての意見交換を進めてきた。両社の強みを生かし、経営上の課題を解決した上で、相乗効果を生み出していく方法としては、それぞれを相手方として経営統合を行うことが最適な方法であるとの理解に至ったことで経営統合という道を選んだ。
経営統合後の親会社であるシンフォミクスの主な本社機能所在地は、本社機能を大阪市および東京都23区内に置くものとし、大阪本社は大阪市中央区高麗橋4―1―1、東京本社については東京都千代田区内幸町1―2―2、本店所在地を京都市東山区一橋野本町11―1に置く。代表者は代表取締役会長に三洋化成工業の安藤社長、代表取締役社長に日本触媒の五嶋社長が就任する。事業内容は化学製品、パフォーマンス・ケミカルスの製造、販売などの事業および同事業を営む子会社などの経営管理ならびにその附帯または関連する業務で、資本金は280億円。
統合効果として、経営統合後5年以内に年間100億円の達成を目標としており、今後、統合効果のさらなる上積みに向けて努力するとともに、統合効果の早期発揮に取り組む。
具体的なシナジーとしては、日本触媒は基礎化学品から機能性化学品の一貫生産のバリューチェーンを有することを強みとする一方、ユーザーニーズを意識した新規事業の創出を課題としており、三洋化成は、顧客の課題にこたえるソリューションビジネスにより約3000種類に及ぶパフォーマンス・ケミカルスの製造・販売に強みを持ちながらも、主要原材料において日本触媒をはじめとした外部からの調達というネックを抱えていた。今回の経営統合により、販売・製造・研究等の機能におけるそれぞれの強みを持ち寄り、経営資源を結集。経営基盤を拡大し、両社がそれぞれに培ってきた企業文化と経営戦略を生かしながら、一層の事業変革・競争力強化を実現することで、強みのある事業を複数保有する、グローバルに存在感のある化学メーカーを目指す。また、さまざまな可能性を掛け合わせ、未知の領域へ常に挑戦し、革新的でユニークな価値を生むことで、生活のあらゆる場面を豊かにし、未来のため持続可能な社会の創造に向けての貢献を目指す。