ブリヂストン
2020年12月期第2四半期決算 欧米の落ち込み響く
下期は緩やかな回復見通す
ブリヂストン(石橋秀一CEO)は8月7日、ウェブを通じて、決算概要を説明する記者会見を行った。当期の業績は、売上収益が前年同期比22・1%減の1兆3554億7000万円、調整後営業利益は同68・3%減の482億6600万円、営業利益は同86・7%減の197億6200万円、四半期利益は220億4400万円の損失となった。
各国の非常事態宣言に端を発したグローバル経済活動停滞により、新車用/補修用ともにタイヤ需要が減少。特に欧米での落ち込みが大きく、6月に入ってから回復の兆しが見られたものの、引き続き予断を許さない市場環境が継続している。ORR(建設・鉱山車両用ラジアル)やTBR(トラックバス用ラジアル)、REP(市販用)の需要の落ち込みが相対的に緩やかであった一方、外出規制や移動制限の影響を受けたPSR(乗用車用ラジアル)需要は微弱ながらも反応。サプライチェーンに関しては、多くの地域において時短操業、配送頻度の減少、一部店舗閉鎖、営業活動自粛などの影響を受けた。PS(乗用車用)、LT(ライトトラック用)の売上収益は前年同期比25%減の6292億円、調整後営業利益は同87%減の98億円、TB用(リトレッド事業含む)の売上収益が同27%減の2982億円、調整後営業利益が同64%減の152億円、OR(建設車両用)、AC(航空機用)、AG(農業機械用)、MC(二輪車用)の売上収益が同21%減の1597億円、調整後営業利益が同44%減の259億円と、軒並み前年同期の実績を下回った。
業績再生への段取りとしては、需要減や各国政府方針に基づいて、欧米工場を中心に一時休業を余儀なくされていた全工場で操業を再開、段階的に稼働率を上げている。日本では5月に数日間の稼働停止期間があり、北米でも3月より全工場において段階的に休業を余儀なくされていたが、4月以降順次稼働を再開させており、全工場で稼働が順調に平常を取り戻している。欧州も3月より一部を除き休業していたが、4月以降に全工場で段階的に稼働を再開。インド、ブラジル、ロシア、南アフリカなどでも工場の一時休業から7月には、全工場稼働が再開している。
多角化事業の売上収益は2447億円、調整後営業利益は92億円の損失。このうち同事業の44%を占める米州多角化事業の売上収益は1073億円、43%を占める化工品事業の売上収益は1040億円、13%を占めるスポーツ・サイクル事業の売上収益は321億円。
下期の事業環境については、当面緩やかな回復が見込まれる一方、第4四半期にCOVID―19の第2波による需要減の影響が出る前提条件の下で業績を予測。ただし、第2波による影響は第1波に比べて規模的に小さいと想定している。通期業績予想については、各地域でのCOVID―19拡大の見通しが不透明な状況を勘案し未定としていたが、現時点で入手可能な情報を基に業績予想を算定、売上収益2兆7000億円、調整後営業利益1000億円と見込んで公表した。配当予想については、現段階では未定としている。