2021年1月20日

西部工業用ゴム製品卸商業組合
新春トップインタビュー

組合が全力でカバー
天災に負けずにともに頑張ろう

【2020年を振り返って】
組合の役員の交代などによって積極的に若手に協力を依頼し、積極的な行動力の発揮や新鮮なアイデアの提案に対する期待をかけていたが、新型コロナウイルス感染症の広がりによって、昨年は思うようにシナリオを進めることができなかった。対面や組合員が集まって実施することができない組合事業であれば、新型コロナウイルス感染症の感染対策に万全に取り組みながら、可能な限り今まで通りのスタイルで今後も進めていければと願っている。

昨年はウェブやリモートを活用することで、リアルなイベントの効果に近づけられるよう、手探りながら研修会などを実施したが、会場まで足を運ぶ距離感というハードルが外れたことで、遠方の組合員企業の従業員からも参加の手が上がるなど、想定外の面で念願であった参加者の広がりという収穫が得られた。昨年は手法を変えて、組合としての役割を果たすことに知恵を絞ったが、前向きの姿勢で物事に当たれば、予想以上の効果が得られることもあるという認識が得られた。しかしながら、同業者が集まる組合という団体である以上、懇親や対面によって得られる価値を軽視することはできない。そこで何とか、今年の商工賀詞交歓会については、特例として例年通りに実施できないものかと知恵を絞った。

新しい年を迎え、新年のあいさつを行うとともに、現在の難局を、ともに頑張ろうという気持ちを通じ合わせるためには、対面という状況によって、人としての温かみを通じ合わせるのが一番であると考えた。メーカーの新年会も中止になったと聞いており、このままでは新年の顔合わせの機会が持てず、心残しを抱えたまま2021年を迎えることになる。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の第3波の到来もあって、どのような感染防御策を講じたとしても、健康と安全第一であるという観点から鑑みて、あえてリスクを冒すことはできないと判断して取りやめた。どんなに工夫を重ねても、バーチャルとリアルとでは溝がある。今後は一般化するにつれて、バーチャルは従来からの代替の方法として定着していくと思うが、同業者の集まりであって懇親と情報交換を重要な意義として存在する組合としては、対面しながら組合事業をこなせる時代に戻ることを願ってやまない。

【今年に予定している組合事業の実施方法については】
新型コロナウイルス感染症対策を万全にしながら、できるだけ通常環境に近い様子で安全に進めていきたいと思う。ウェブ会議システムを効率的に活用し、次の人材育成事業からリモートで実施する。リモートはこれまでも2回ほど経験があり、いずれも問題はなかった。商品説明会や工場見学会もその方向で検討しており、まずはバーチャル商品説明会で様子を見てから、問題がなければバーチャル工場見学会も実現させる。ゴルフコンペに関しては屋外であり、表彰式や懇親会を省いたとしても、懇親の効果が期待できる。総会も昨年は実施が難しかったが、ワクチンの浸透など、取り巻く環境の変化に期待することで今年は通常通りに実施していきたい。勉強会については、昨年の10月に初めてウェブを通じて取り組んだが、参加者によるアンケート結果では好評だった。双方向でのやり取りよりも、発言を譲り合いながら、必要に応じた言葉の交換の方が今の時代に合っているのかもしれない。何よりも、悲願であった広島や岡山、京都といった組合員企業の従業員の参加も得られ、地域的な課題の解決の糸口が得られた。

【組合員を取り巻く事業環境について】
新型コロナウイルス感染症拡大により、いずれの企業も大きな影響を受けているが、組合としては昨年5月に組合員に対してコロナ対策アンケートを実施して、アイデアや情報を組合員全体で共有できるよう仕向けた。ウェブやリモートで世の中の働き方も変わってきており、営業面でも対面抜きで進める方向へと商慣習も変わるだろう。組合としても、そういった流れでもスムーズに仕事が運べるように協力していく。ホースやベルト業界の業績は、工事の計画遅延や先送りによってダウンしており、現状を見渡す限り、急激な回復は望めそうにない。業種によって明暗が分かれているが、自助努力を尽くしてもかなわず、仕事の減少を余儀なくされている企業においては、仕事の方法の見直しや作業内容の改善など、内面の構造を見直そうという機運が高まっている。繁忙期には目が行き届かなかった非効率的な部分でも、細部の精査によって発見できる。作業の合理化に向けてのチャンスととらえられている一面もあり、市況回復時には効率化が進んでいる。工場でも作業員が密集しないよう、ラインを分けて生産にあたっている企業もあり、ネット販売によって賄なえている業種もある。当組合の組合員数は現状では横ばいだが、新型コロナウイルス感染症による影響による要因だけではなく、かねてからの後継者不足の問題もあり、特に団塊の世代の社長が会社を支えている企業に対しては、さまざまな意味から危機感を覚える。人知によって尽くせる部分であれば、組合が全力でカバーしていく体制で身構えており、天災に負けることなくぜひとも今の頑張りに見合う天命を待っていてほしい。