2021年1月30日

ブリヂストン
「タイヤソリューション」さらに強化

小型TB用 「デュラビスR207」発売

ブリヂストン(石橋秀一CEO)およびグループ会社であるブリヂストンタイヤソリューションジャパン(久米伸吾社長)は、輸送業界全体を足元から支えるソリューションビジネス「タイヤソリューション」を本年よりさらに強化する。今回、小型トラック・バス用タイヤ「DURAVIS(デュラビス)R207」の発売を3月1日より予定しているが、これは昨今、Eコマースの拡大によって宅配ニーズが増加。新型コロナウイルス感染症の影響などでネットショッピングの需要増加に一段と拍車が掛かり、その小口配送を行う運送事業者の〝安心・安全な定期配送〟〝タイヤメンテナンスの負担軽減〟〝経費削減〟をサポートする目的を志向している。
デュラビスR207

デュラビスR207は、長年好評であった従来品「デュラビスR205」の性能を維持するとともに、ウエット路面における発進時のグリップ性能に配慮することで安全性を確保。運送事業者の稼働をサポートする目的から、デュラビスR205と比較して、対比耐偏摩耗性やウエット性能を同等に保ちながら、摩耗ライフを25%向上させている。発売サイズは、60シリーズの205/60R17・5 111/109N~85サイズの225/85R16  121/119Nの23サイズ。

デュラビスR207に採用されている〝ローエナジーパタンブロック形状〟は、パタンを立体的に最適化することで、駆動時に発生するブロックの変形を低減、耐偏摩耗性を確保するとともに摩耗ライフも向上させる。ショルダー部の接地面積を増加させたことで、トレッド幅と溝ボリュームを最適化、接地面積を増大し、接地圧の低減を図ると同時に均一化させたことで、摩耗ライフの向上、ウエット性能の確保が図られた。サイレントACブロックはブロック表面を三次元的にうねらせることで、接地圧を均一化し、局所的な摩耗を抑制、摩耗ライフの向上と耐偏摩耗性も確保する。ラグ残数/サイプ深さの最適化により、剛性を確保しながらブロック個数を増大、エッジ成分をアップするとともにサイプ深さを最適化することにより、摩耗末期でのウエット性能に配慮しながら、摩耗ライフの向上とウエット性能の確保を図った。接地形状の最適化により、多様な使用条件下の小型トラック・バスに配慮し、接地形状の変形を抑制することで摩耗ライフの向上、耐偏摩耗性の確保を実現した。

タイヤソリューションは、運送事業者のニーズとビジネスを見据え、安心・安全につながる高品質な商品とサービスを追求、運送事業者の本質的な課題を解決する最適な組み合わせを提案している。

ソリューションビジネスのベースとなる断トツ商品として、デュラビスR207のほかにもトラック・バス低燃費用タイヤ「エコピアM801Ⅱ」や、トラックのリアタイヤ2本を1本で装着できる「グレイテックM829」などを昨年3月より発売している。顧客が使用することで、すり減ったタイヤのトレッド部分を張り替え、再び使用可能としタイヤを提供するリトレッドサービスや、昨年12月より導入したタイヤの内圧を遠隔モニタリングできる「タイヤマティクス」などのデジタルツールの活用、適切なメンテナンスの提供を通じ、顧客の困り事を解決するソリューション事業を推進・加速。

ブリヂストンはタイヤをライフタイム全体で最大限活用する「断トツソリューション」を通じて、安全性・環境性・経済性・生産性といった社会価値・顧客価値を両立させる。

「グアユール」のゲノム配列の高精度な解読に成功

また同社は、ゲノムのビッグデータ・ソリューション企業であるNRGene社との共同研究により、「グアユール」の複雑なゲノム配列を高精度に解読することに成功した。ブリヂストンは2017年から天然ゴム資源の多様化によるタイヤ原材料のサステナブル化を目的として、グアユールの品種改良に向けたゲノム解析の研究をNRGene社と共同で行っており、今回の研究開発の成果がゴム生産性の高い品種のグアユール開発に大きく貢献するものと考えている。

今回、NRGene社との共同研究によって遺伝子情報が可視化されたことで、植物体中のゴム含有量など、重要な形質の遺伝的背景の理解を深めることが可能となり、生産性の高いグアユールの育種を加速させることが期待される。今後、プロセスの最適化による物性改良やアプリケーション(用途)開発の成果と組み合わせることで、2020年代にグアユールゴムのタイヤ材料としての実用化を目指す。

ブリヂストンは、グアユールゴムの実用化に向けてオープンイノベーションを推し進めている。今回、ブリヂストンが持つグアユールに関する知見とNRGene社のゲノム解析に関する技術を融合させることで、一層短期間で実用化に向けての重要な成果が得られたと考えている。ブリヂストンでは、今後もオープンイノベーションを推進し、ブリヂストンのコア技術とさまざまな企業・団体が持つ個々の領域の知見を融合させ、天然ゴム資源の多様化に向けた取り組みを促進していく。