2021年2月15日

住友ゴム工業
タイヤの摩耗検知技術確立

「センシングコア」を進化

住友ゴム工業(山本悟社長)は、独自のタイヤセンシング技術「SENSING CORE(センシングコア)」を進化させ、タイヤの摩耗量を検知する技術を新たに確立した。従来から検知可能であったタイヤ空気圧・荷重・路面状態に加え、タイヤ摩耗が検知できるようになったことにより、今後ますます進展していくCASE/MaaSといったモビリティ社会に貢献していく。

同社独自のセンシングコアは、タイヤ開発で培われたタイヤの動的挙動に関する知見と、タイヤの回転によって発生する車輪速信号を解析するデジタルフィルタリング技術を融合させることで、タイヤに関するさまざまな状態を検知する技術。この技術は、タイヤそのものをセンサーとして利用することから、タイヤへの付加的なセンサーの追加が不要で、メンテナンスフリーであるという点が大きな特長。さらに、車輪速信号などの必要な情報をクラウドにアップすることで、クラウド上で検知することもできる。

今回、これまでの開発で得られた知見を元に、車輪速信号とエンジンなどの情報からタイヤのトレッド剛性を算出することで、タイヤ摩耗量の検知が可能となった。この新技術により、ドライバーへタイヤの摩耗状態を提供することができるようになる。また、得られた摩耗状態をクラウド経由で集中管理することで、モビリティサービスや運送事業者などの安全運行やメンテナンスコストの大幅な削減などへの応用も見込まれる。

同社は、CASE/MaaSなどの自動車業界の変革に対応するためのタイヤ開発および周辺サービスのコンセプト「SMART TYRE CONCEPT(スマートタイヤコンセプト)」を掲げて、さまざまな技術開発を行っている。センシングコアは、その主要技術の一つに挙げられる。

今後も『タイヤがクルマとつながる、人とつながる、社会とつながる』をキーワードに、安全・安心なモビリティ社会の実現に向けて住友ゴム独自の価値を提供し続けていく。