2021年8月20日

ブリヂストン
米・フィスカー社とパートナー契約

電動SUV向けタイヤを開発

ブリヂストンの欧州グループ会社、ブリヂストンヨーロッパ(ローラン・ダルトーCEO兼プレジデント、以下、BSEMIA)は、世界一サステナブルな自動車で、ナンバーワンのe―モビリティプロバイダーを目指す米・フィスカー社(ヘンリック・フィスカーチェアマン&CEO)と、同社の電動SUV「Fisker Ocean(フィスカー・オーシャン)」向けのタイヤを開発・納入するパートナー契約を締結した。

ブリヂストングループでは中期事業計画(21―23)の中核として、バリューチェーン全体で資源循環やカーボンニュートラル化などへの取り組みと、ビジネスモデルを連動させる「サステナビリティビジネス構想」の実現へ向けた取り組みを加速させている。今回のパートナー契約は、世界一サステナブルな自動車の提供を通じて次世代のモビリティへの貢献を目指すフィスカー社と、サステナビリティビジネス構想に基づきバリューチェーン全体でサステナブルな社会の実現に取り組むブリヂストングループが、未来のモビリティ社会における新たな社会価値・顧客価値の共創を目指して締結した。

ブリヂストングループにとって、フィスカー社とのパートナー契約は中期事業計画において、EV化の加速などのサステナビリティ、モビリティの進化を見据えた高付加価値商品・ソリューションの拡大・強化に向けた重要なパートナーシップとなるとしている。今回のパートナー契約は、ブリヂストングループのサステナビリティビジネス構想の実現へ向けたバリューチェーン全体での取り組みについて、フィスカー社から共感を得たことが出発点となった。

フィスカー社のフィスカー・オーシャンは、リサイクル材料や植物由来のインテリアなどサステナブルな素材が使われていることが特長の電動SUV。BSEMIAは、同車に新車装着されるタイヤとしてブリヂストンの高性能スポーツタイヤ「POTENZA SPORT(ポテンザ スポーツ)」に、環境性能と運動性能を両立する革新的なタイヤ技術「ENLITEN(エンライトン)」を初めて搭載した特別仕様タイヤを開発する。エンライトンは、ブリヂストングループのサステナビリティビジネス構想の実現へ向けた「断トツ商品」戦略強化の中核を担う技術として、タイヤの大幅な軽量化と転がり抵抗低減により省資源化や環境負荷低減に貢献するとともに、従来はトレードオフの関係にある運動性能やタイヤライフとの両立を可能にするタイヤ技術。これによって、EVの航続距離の最大化にも貢献する。

フィスカー・オーシャンに装着されるポテンザ スポーツの開発においては、ブリヂストングループ独自のタイヤ開発シミュレーション技術を用いて開発を効率化するとともに、モノづくり領域でも技術イノベーションによってCO2削減、資源生産性の向上に大きく貢献している。なお、欧州では2023年に発売される予定で、一部モデルは北米でも発売予定となっており、同モデルにはオールシーズンタイヤ「ALENZA SPORT(アレンザ スポーツ)」が装着予定となっている。

BSEMIAのダルトーCEOは「モビリティの完全な電動化に向けてはまだまだ多くの課題があり、フィスカー社とブリヂストンはこれらの課題解決のために共創している。単にEVをより利用しやすいものにするためだけでなく、フィスカー社は強いサステナビリティへの課題意識から生まれた。フィスカー社とブリヂストンが、同じ思いを持ち、新たな社会価値・顧客価値をともに共創していくことを大変光栄に思う」とコメント。

フィスカー社のフィスカーCEOは「われわれと同じ価値観を持つブリヂストンのプレミアムタイヤはフィスカー・オーシャンに欠かせないもの。われわれはクラス最高レベルの乗り心地、運動性能、そして航続距離を備える最もサステナブルなSUVを創りたいという思いがあり、それを実現するためにブリヂストンは重要な役割を担ってくれるはずだ。ブリヂストンとともに、タイヤの技術開発、性能向上に向けてより密接な関係を築き、共創していくことをとても楽しみにしている」と期待の言葉を述べている。