2021年11月15日

TOYO TIRE
タイヤ安全啓発活動

新ドライブシミュレーター披露

TOYO TIRE(清水隆史社長)は11月6日、茨城県つくば市のイオンモールつくばで「タイヤ安全啓発活動」を行った。タイヤ安全啓発にあたって同社では、さまざまな路面状況やコンディションにおける運転状況を疑似体験できる「ドライブシミュレーター」を効果的に活用。ドライブシミュレーターは同社が独自に開発した体感設備で、これを活用した安全啓発活動は2019年より開催、これまで約2150人が同機を操作し、安全運転におけるタイヤの重要性を再確認した。

当日は天気にも恵まれ、数多くのドライバーがイベントに参加、150人以上がドライブシミュレーターを体験し、疑似運転を通じてさまざまなタイヤの安全性に関する知識を肌で感じ取った。特に今回はメディアを対象に、オールシーズンタイヤの性能を体感できる機会として位置付け、主に同社の販売会社が顧客向けの研修で活用する目的により、今年9月に完成させたドライブシミュレーター「オールシーズンタイヤ性能訴求ソフト」を披露。オールシーズンタイヤの雪のない通常路面での性能を体感する2種類のプログラムが用意され、路面の違いなどといった条件を変えてタイヤの性能を疑似体感した。

加えて、同社のオールシーズンタイヤ「CELSIUS(セルシアス)」装着のデモカーによる実車の試乗会も行われた。

ドライブシミュレーターは、実車に近いハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルはもとより、運転席から見える景色を映すモニターや走行音などを出すためのスピーカーを搭載、車両の揺れを再現するための揺動機構なども備えられている。同社が独自にソフトを開発したコンピューター制御によって、タイヤの摩耗度による雨天時の制動距離の違いやハイドロプレーニング現象の発生、空気圧の違いによる操縦安定性の違いなどが体感できる。同社では、ドライバーが安心してタイヤを使用する状態を維持する目的から、自動車用タイヤメーカーの使命として、日常のタイヤ点検の重要性について啓発。そのためには、新品タイヤと不良タイヤとの比較において、摩耗進行や空気圧低下などといった経年変化により、性能低下が引き起こされるという状況の理解を促す活動は不可欠。ドライバーが、経年変化による性能低下リスクを疑似体験することで、日常におけるタイヤ点検の重要性を啓発する目的から、ドライブシミュレーターを独自に開発、運用している。

これまで各地のイオンモールなどにおいて開催しているタイヤ安全啓発活動において、ドライブシミュレーターの体験会を実施。乗機したドライバーに対してアンケートを依頼し「今回の体験を通してタイヤの安全に対する意識は変わりましたか?」という質問に対し、平均で96%の体験者が「非常に高まった/高まった」と回答(20年度集計)。コメントとして「タイヤの重要性を痛感した」「雨の日の運転には気を付ける」「自分の車のタイヤにもっと関心を持とうと思った」などといった声が聞かれた。

当日、実施されたドライブシミュレーター・オールシーズンタイヤ性能訴求ソフトの体験は、路面やタイヤの種類によって〝ステージ1〟〝ステージ2〟〝ステージ3〟による3部構成で実施。ステージ1では、圧雪路における制動距離の比較がテーマで、夏タイヤ、オールシーズンタイヤ、スタッドレスタイヤの順に履き替える設定で、直線の圧雪路を時速60㌔まで加速し、ブレーキポイントでブレーキペダルを一気に踏み込んだ。このシミュレーションによって夏タイヤのスリップする感触、オールシーズンタイヤ、スタッドレスタイヤのグリップする感触、制動距離の違いを実車と同様に体感した。特に夏タイヤとオールシーズンタイヤのブレーキング感覚の違いが顕著で、しっかりグリップしてしっかり止まれる性能差がはっきりと感じ取れた。ステージ2は圧雪路の旋回性能の比較がテーマで、夏タイヤ、オールシーズンタイヤ、スタッドレスタイヤの順番で走行し、パイロンに沿ってコースを一定の速度で反時計回りに円旋回した。夏タイヤがグリップをしないで滑っていく感覚、オールシーズンタイヤ、スタッドレスタイヤがしっかり路面をとらえて旋回できることを実車のごとく感じ取ることができた。特に夏タイヤではコースアウトしたが、オールシーズンタイヤでは一定の速度でステアリング操作に応じたことで、性能差が明確に確認できた。ステージ3は、圧雪路のハンドリング性能比較・登坂性能の比較がテーマで、同様に夏タイヤ、オールシーズンタイヤ、スタッドレスタイヤの順番で一般道を想定したカーブの多い坂道を走行した。夏タイヤは思い通りに坂道を登ることができなかったが、オールシーズンタイヤ、スタッドレスタイヤはストレスなく走行できた。夏タイヤと比べてオールシーズンタイヤにおいては、アクセルの踏み込みからステアリング操作へとスムーズに反応してカーブを曲がることができた。

今回、デモカーによる体験会で使用されたオールシーズンタイヤのセルシアスは、通常の乗用車用タイヤに求められるドライ・ウエット路面への制動性能を確保しながらも、左右非対称のトレッドパターンによって、降雪時にもしっかり路面をとらえるスノー性能を発揮。圧雪路面だけでなく、雪が解け始めたシャーベット路面にも対応し、スノーフレークマーク打刻タイヤのため、冬用タイヤ規制中の高速道路も走行できる。