2021年12月20日

TOYO TIRE
記者懇談会を開催

中計初年度の成果と展望を語る

TOYO TIRE(清水隆史社長)は12月9日、兵庫県伊丹市の同本社において、年末恒例の「2021年度記者懇談会」を開催した。懇談会では清水社長が本年を総括するステートメントを披露。21年度の総括と22年度の展望について、雑感と所感を話した。中期経営計画「中計21」の初年度である21年度を振り返り、同年度の事業評価を80点と採点。理由として米国市場での好調、第3四半期までの業績も大幅な伸びを見せ、利益面は過去最高を達成したことなどを得点の裏付けとして挙げた。
ステートメントを披露する清水社長

懇談会で、清水社長は「21年度は新型コロナウイルス感染症によって世界の景色が一変し、当社の業績もクオーターごとに影響を受けた。ウィズコロナという新しい時代のビジネススタイルを模索する年であり、技術のエンジニアまでもがテレワークで業務を行うことで感染防止策を徹底させた。日常的に在宅勤務を経験したことで、前向きな見方をすれば業務手法の幅が広がり、働き方の多様性を身に付けることができた」と、コロナ禍によってほんろうされながら、厳しい環境の中で業務を推進した経験について述べた。中計21の滑り出しについて「この計画は、数年後の成長目標を定めた従来型のロードマップではなく、当社の強みを一段と高めることによって、当社のあるべき姿を見いだすことが目標の計画であり、当社の技術を磨き上げて独自の品質や性能を市場に提供する。持たざる側の立場を強みとして発揮し、規模を追うのではなく、収益重視の独自の概念によって骨子が形作られている。収益性に劣る汎用品を生産している工場を手放し、欧州に軸足を置いて高付加価値製品の拡販に力を入れる。当社の収益の柱となっている米国市場においては、利益率の高いSUVタイヤが好調に推移しており、結果として当第3四半期の利益面に大きく貢献した。収益構造をグローバルに構築していく計画であり、当社が手掛ける製品構成のうち、55%以上を高付加価値製品で占めることで、規模を超えた領域でのエクセレントカンパニーを目指す」と述べ、これまでの取り組みと今後の方向性を示した。

22年以降の展望については「常にユーザーと寄り添いながら、一段と筋肉質な経営に向けて取り組んでいく。経験としては自動車産業が半導体不足やサプライチェーンの問題によって生産調整に追い込まれたときも、リプレイスの好調によって賄われ、消費者によって支持されている商品づくりがいかに重要であるかを再認識した。これからも社会とのかかわりを重視しながら技術面ではDXなどを取り入れ、会社組織においてはデジタル化を推進し、物流網の構築や人材育成に取り組み、体質の強じん化を図る。将来像を見据え、多様な人材が活躍することができる体制をつくり上げることで、成長に向けたあらゆる可能性を引き出していく。攻めこそが最高のポテンシャルを引き出すベストな戦略であり、常に前向きに物事を進める。脱炭素についてもタスクフォースの目標を定めて取り組んでいく方針であり、サステナビリティーについても日米欧のR&Dセンターを活用しながら、抜本的な施策を実施し、効果的な成果を引き出していきたいと考えている」と述べ、企業価値の向上を踏まえた強気の姿勢を示した。

将来に向けた思いとしては「当社のコーポレートカラーであるブルーを全面に打ち出しながら、生産、技術、販売の全般において、絵姿として描いている理想とするコーポレート組織の実現に向けてまい進していきたい」とこれからの意気込みを伝え、清水社長によるステートメントは締めくくられた。