2022年3月15日

BASF
初のCO2排出量ネットゼロMDI

気候変動配慮ポートフォリオ拡充

BASF(マーティン・ブルーダーミュラー会長)は、ジフェニルメタン・ジイソシアネート(MDI)のポートフォリオを拡充し、初の温室効果ガス排出ネットゼロの芳香族イソシアネートである「Lupranat ZERO(ルプラネートゼロ:Zero Emission, Renewable Origin)を発表した。

ルプラネートゼロは「Cradle―to―gate」(ISO14067に基づいた、炭素同化を含むゆりかごからゲートまでの計算)の製品カーボンフットプリント(BASFのPCFは、カーボンフットプリントのISO標準であるISO14067:2018に基づいて計算)ゼロを実現する。これは、同社工場から出荷されるまでの製品に関連するすべての温室効果ガスの排出と、製品に含まれるバイオベース炭素からの排出がゼロであることを意味している。工場出荷時のゼロエミッションは、オフセット認証なしで達成している。その代わりに生産工程の初期段階に再生可能な原材料を投入し、マスバランス方式により製品に割り当てられている。製造工程では、グリーンエネルギー認証(再生可能エネルギー認証など)を受けた再生可能エネルギーが使用されている。

テュフ ノルドによるルプラネートゼロのPCF計算の検証も完了しており、2022年第2四半期に上市予定。まず「ルプラネートM70R」に導入され、建設業界においてMDIポリイソシアヌレートパネル(別名PIRやポリイソ)や硬質ポリウレタンフォームの製造に使用される。硬質フォームボードは非常に高い耐久性を備えており、断熱材として使用される。ルプラネートM70Rにゼロを導入後、他のルプラネート製品にも順次導入される予定となっている。

同社は、30年までに温室効果ガス排出量を18年比で25%削減するという目標を掲出。同社製品の個々のPCFが、この目標達成に向けて重要な役割を果たし、関連した温室効果ガス排出量に対する透明性を提供している。MDI製品についても、21年からの実際のエネルギー消費と原材料消費に基づいてPCFが決定されており、顧客に提供されている。加えてMDI製品のポートフォリオには、再生可能原料を使用して製造された「ルプラネートBMB」や、リサイクル原料を使用した「同cCycled」が既に含まれており、ポリウレタンのバリューチェーンにおけるサステナビリティへ積極的に貢献している。