2022年3月15日

エボニック
世界初 持続可能なイソホロン製品開発

コスト高効率の生産プロセス実現

エボニック(クリスチャン・クルマン会長)は、100%再生可能なアセトンを原料とする世界初の持続可能なイソホロン製品の開発に成功した。これにより同社は再生可能なアセトンを使用することによって、イソホロンの製造プロセスにおいてCO2排出量を大幅に削減したイソホロンベースの製品の提供を行う。新しいeCO製品は、イソホロン「VESTASOL(ベスタゾル)IP eCO」、イソホロンジアミン「VESTAMIN(ベスタミン)IPD eCO」、イソホロンジイソシアネート「VESTANAT(ベスタナート)IPDI eCO」のブランド名で発売され、今後市場のニーズにこたえ、さらに川下製品を投入する予定。

新しいeCOシリーズ製品は化石由来の製品と化学的に同じ組成を有し、加工、配合、性能の面で同じ特性を持っている。従来のイソホロン製品と比べ、eCO製品は地球温暖化係数(GWP)やCO2排出量を大幅に削減できる。例えばベスタナートIPDI eCOは、マスバランス方式によると75%の再生可能炭素から構成される。

また機械的強度、耐久性、耐薬品性、優れた接着性、低CO2排出量により最新のコーティングシステムの塗料、ラッカー、バインダーなどの生産において持続可能な原材料として使用できるよう設計されている。加えて風力発電のブレードや高品質なダッシュボードやトリムの製造に使用する自動車内装用の高性能複合材料、さらには最新の化学合成技術にも適している。

同社は「新しいベスタeCOシリーズは、気候中立に向けた第一段階。次のステップとしては今年中に当社のI―Chain製品群の全製品に関するライフサイクル分析を更新し、お客様に信頼性の高いカーボンフットプリントに関する情報を提供、明確な削減オプションを示す予定」。

マスバランス方式は、生産工程でのインプットとアウトプットのバランスを管理する手法。この手法を用いることで、再生可能なアセトンの購入量と持続可能な最終製品の一致が保証される。全工程が国際的に認められたISCC(国際持続可能性カーボン認証)とREDCert規格(欧州再生可能エネルギー指令〝RED〟に基づく品質認証スキーム)という独立した機関による監査と認証を受け、生産の全段階における再生可能資源の利用を実証する。

エボニックは厳格な帳簿の管理と外部監査に基づくマスバランス方式によって使用された再生可能な原料を追跡しながら、大規模生産を行い、顧客に費用対効果の高いソリューションを提供することが可能となる。