日本ゼオン
「project LNES」が育成型人工観葉植物開発
健康促進と環境貢献を太陽光で
日本ゼオン(田中公章社長)は、オープン型のイノベーションデザインプロジェクトとして展開している「project LNES(プロジェクトルネス)」の第3弾として、4月28日より、ソーラーカード式デザインデバイス「LNES(ルネス)SL―03」を試験的に発売した。健康促進と環境貢献を太陽光で叶える育成型人工観葉植物で、専用アプリとの連動によって可視化されたソーラー発電量と拡充したエンタメ機能により、サステナビリティでウェルビーイングな体験価値を提供する。同社では製品の発売に先立ち、4月21日にプロジェクトルネスについての事業戦略および新製品の発表会を、東京都港区のSWITCH STAND SHIODOMEで開催した。
発表会には、同社の常務執行役員の豊嶋哲也研究開発本部長・総合開発センター長、経営企画部門LNES事業推進室の児島清茂室長が出席。豊嶋本部長によるあいさつに続いて、プロジェクトルネスと新製品について/今後の展望を柱とする概要説明が児島室長によって行われた。
日本ゼオンでは太陽・自然、そして地球と育み合える豊かなライフスタイルを生活者と共創して実現していくオープン型のイノベーションデザインプロジェクトとして、プロジェクトルネスを2016年より始動。このプロジェクトでは、〝FRESH ENERGY(フレッシュエナジー)〟というコンセプトとクリエイティブデバイスを通じて社会の変化、生活者の行動と心の機微、その接点を重視した素材から体験を探索し、世の中にその体験を届け、持続可能な社会の実現を目指している。
ルネスSL―03は、日本ゼオンが強みとする超小型太陽光電池プラスチック技術と、ナノテクノロジーの融合技術によって開発された「SOLAR CARD(ソーラーカード)」を使用。圧倒的な薄さと軽さを誇り「ルネスSL―01」のアート性や「同―02」でアップデートされた機能性に加え、スマートフォンのアプリとの連動機能を追加しており、ルネステストプロダクトの一つの終着点となる製品として位置付けられている。製品が太陽光で発電していく様子をアプリの導入によって可視化・データ化することによって、より分かりやすくサステナブルな体験を届ける。健康面をサポートする機能も備えており、ルネスSL―03はウェルビーイングな暮らしの実現に向けた一助として貢献。太陽光からの発電量に合わせたオリジナルキャラクターを育成していく仕掛けもあり、継続的に楽しみながらサステナブルな暮らしとウェルビーイングな暮らしを提供する。将来的には、自然からの恩恵である太陽の光を発電量としてスコア化し、環境貢献の一環としてそれを活用した地方自治体の支援などといったソーシャルプロジェクトの導入についても試験的に検証していく。
ルネスSL―03は、〝太陽で育てて楽しむ育成型人工観葉植物〟をコンセプトに、新しいライフスタイルに寄り添うソーラーカード式デザインデバイスで、新たに備わったスマートフォンアプリ連動機能には、ソーラーカードによる発電量のリアルタイム可視化機能〝Real―time mode(リアル・タイムモード)〟や、太陽光の浴び具合やその発電量をライフスタイルに合わせて確認できる日向ぼっこ可視化機能“Life time mode(ライフ・タイムモード)”、ソーラーカードからの発電によって日の当たり方のトレンド曲線をグラフ化、そのデータを用いたオリジナルキャラクターを成長させることのできるキャラクター育成機能〝Trend mode(トレンド・モード)〟も備えている。
3種類の点灯モードによって、家族での楽しみ方に合わせたモード設定による灯り機能を搭載、本体をタッチすると生命のように灯りがまばたきする対話機能を備えており、観葉植物に、ペット性を融合してイメージしたデザインにより、部屋のインテリアやキャンプなどのアクセントとしても適している。
サブ機能として、電源切れしたスマートフォンの電源を数%程度スポット的に回復させるスポットチャージ機能を搭載。非常事の際に、ささやかな充電機能として活用することを想定しており、太陽光による5~6時間程度のソーラーカード充電(1枚想定)により、電源が切れても30分程度の通話ができる。試験販売期間には、カード追加のレンタルも実施予定。
発表会では、概要説明に加え、実際の製品を用いた体験コーナーも開設。コンセプトやメカニズムの知識だけでなく、実際に製品と交わしたコミュニケーション体験を通じて、プロジェクトの奥深さを認識した。