イノアックコーポレーション
国産バイオマスオレフィンフォーム
生物由来原料を25%以上使用
イノアックコーポレーション(野村泰社長)は、生物由来原料を25%以上配合した国産バイオマスオレフィンフォーム「P・E―ライトAB―100F」の開発に成功したことを発表した。
近年、世界的な問題となったマイクロプラスチックによる海洋汚染や石油・化石資源の枯渇、廃棄物処理問題が国内外問わず社会課題となっており、迅速かつ的確な対応が化学メーカーに強く求められている。こうした社会課題に対し、生物由来原料を使ったポリエチレンフォームの開発を進め、数年前より本格的な製品開発フェーズへとシフトしてきた。石油由来の製品と比較すると〝セルが粗い〟〝発泡しにくい(発泡倍率が上がらない)〟〝強度が弱く、品質が安定しない〟といった課題があり、製品化が極めて困難な状況が続いていたが、「カーボンニュートラル」という考えと高分子素材のリーディングカンパニーとしてのきょう持の下、同社では開発を進めてきた。
P・E―ライトAB―100Fは廃棄物となる生物資源から作られる「バイオマス資源パウダー」という原料を使用しながら、石油由来原料品と同等の物性(8~15倍のポリエチレン発泡の硬度に近い物性)を維持することに成功。カーボンニュートラルによるCO2排出量を約23%削減(材料由来)する。汎用品同等の物性を有しながら、日本有機資源協会が認定する「バイオマスマーク」を取得している。認定番号は210416。バイオマスマークは生物由来の資源(バイオマス)を活用し、品質および安全性が関連する法規、基準、規格等に適合している環境商品の目印となっている。
同社では自動車部品用通函部材、建材バッカー、がん具、スポーツ用品などといった幅広い用途での使用を想定しており、今後も再生可能な材料や植物由来・生物由来の原料を用いた製品を積極的に開発することにより、サステナブル社会の実現に貢献していく。