アシックス
「メキシコ66カクトフル」
サボテン由来素材を初採用
軽量性生かした設計
アシックス(廣田康人社長)は「Onitsuka Tiger(オニツカタイガー)」のブランドの代名詞とも言える「MEXICO(メキシコ)66」のアッパーに、サボテンから作られた持続可能な植物ベースの素材「DESSERTO」を初めて20%以上採用した「MEXICO66 CACTFUL(メキシコ66カクトフル)」を発表した。同ブランドを象徴するモデル誕生のきっかけの一つとなった国であるメキシコに、数多く生息するウチワサボテンを由来とする素材に、「メキシコ」という共通のルーツという親和性と環境に配慮した素材としての今後の可能性を感じ、今回の開発、新作発表となった。メキシコ66カクトフルは世界15カ国のオニツカタイガー旗艦店で来年1月から展開される予定。
新作は原材料にメキシコ産サボテンの繊維などを使用、その製作過程においても環境に配慮し、かつオニツカタイガーのインテリジェンス・テクノロジーに基づく品質・製品基準を満たしたグローバル規模で展開可能な新素材をDESSERTOの技術者と共同で開発した。メキシコのエイドリアン アンド マルテ社によって開発されたDESSERTOは、化学物質であるフタル酸エステルやPVC(ポリ塩化ビニル)を使用せず、水の消費量も比較的少ないため、環境に配慮したバイオ素材として世界的に注目されており、生分解性のサボテン由来の素材として、ファッション、革、家具業界にも活用されている。耐久性に優れ、紫外線にも強く、しなやかな風合いが特長。今回このDESSERTOの技術者とともにオニツカタイガーの厳しい基準をクリアする、環境配慮と耐久性の両方を兼ね備えた素材の共同開発に至った。本素材は従来のアニマルレザーと比べ、製造過程での二酸化炭素排出量を約80%削減することができる。また、製造時に残ったウチワサボテンは飲食業界で食用にも活用されている。さらにメーンのシューズアッパー部分だけでなく、インナーソールやシューレースなどの他パーツ部分などにもリサイクル素材を採用し、環境負荷の低減に努めている。
メキシコ66のアイコニックなデザイン要素はそのままに、アニマルレザーでは表現が難しい、サボテン由来素材の特長である軽量性を生かしたシューズ設計に加え、柔らかな風合いを引き立てるオリジナルカラー5色で展開する。サイズは22・5~30・0㌢、31・0㌢、価格は1万6500円。
今回の新作のローンチを祝して、駐日メキシコ大使館からシューズのデザインやコンセプトの監修が行われ、10月27日には商品発表パーティーもメキシコ大使館で開催された。