住友理工
ベトナムの製造会社で開所式
25年度フル稼働へ
自社グループへの輸出・供給に特化
住友理工(清水和志社長)は、ベトナムで自動車用ホース(水系ホース、エアー系ホース、燃料系ホース)を製造・販売するグループ会社、SumiRiko Vietnam(本社・ベトナムビンフック省、木股茂雄社長、以下、SRK―V)で開所式を開催した。
住友理工グループは自動車用ゴムホースの十分な生産能力を確保するため、昨年1月にSRK―Vを設立。コロナ禍にありながら、計画を前倒して今年5月に量産をスタート。同社グループへの輸出・供給に特化した製造拠点として順次生産能力を引き上げ、2025年度にフル稼働を目指している。資本金は2413億ベトナムドン(約14億円)、出資比率は住友理工100%、従業員数は75人(本年11月末時点)、面積は土地2万5000平方㍍、建屋1万3000平方㍍。投資額は25年度まで計約24億円を計画している。
12月中旬に現地で行われた開所式には、取引先やSRK―V従業員ら約100人が出席し、住友理工の松井徹会長が「コロナ禍のさまざまな困難を乗り越え、竣工から短期間で量産を開始することができたことに謝意を表したい。ここベトナムの地から、グローバルに高品質な製品を数多く発信・供給していくことを期待する」とあいさつ。SRK―Vの木股社長は「全世界で電気自動車(BEV)をはじめとする電動車へのシフトが加速する中、バッテリーなどを冷却するゴムホースは将来も変わらず必要不可欠な製品だ。SRK―Vはクルマの未来を支え続けるとともに、地域社会に大きく貢献していく」と抱負を述べた。
工業団地労働組合のバン・ハイ・ニン委員長からは「この一年間、新型コロナによる大きな影響を受ける中、5月に稼働を開始したSRK―Vが生産を維持し、従業員に安定した雇用を提供していることに深く感銘を受けている。今後も労使が良好な関係を維持し、それぞれの役割と責任を果たしていくこと、そしてSRK―Vがさらに発展していくことを祈念したい」と祝辞を述べた。この後、記念の植樹や工場見学などが行われた。
同社グループでは、サプライチェーンの多元化・分散化によるリスク回避などの観点から、より筋肉質な経営体質の構築を目指してグローバルにおいて拠点網の再編を進めており、その施策の一環として今回SRK―Vを設立した。また、脱炭素社会の実現に向け、全世界で電動車、特にBEVの開発・供給が進む中、バッテリーなど電気系統の冷却に用いる水系ホースは、さらなる成長が見込める製品群と認識している。
住友理工グループは、ベトナムをはじめとする東南アジア地域での自動車用ホースの製造・供給網の強化を通じて〝人・社会・地球の安全・快適・環境に貢献する企業〟の実現を目指していく。