2023年2月10日

日本ゴム工業会
「第28回幹事会」開催

各種の重要な事業が本格化

日本ゴム工業会(清水隆史会長)は1月20日、「第28回幹事会」を東京都千代田区の経団連会館で開催した。

冒頭あいさつに立った清水会長は「この2年、1月の幹事会は書面審議で開催したので年初に皆様とお会いしての開催は3年ぶりとなる。新型コロナウイルスによる国内の感染者数の累計が3100万人を超えたが、われわれは感染拡大防止とのバランスを取りながら、できるだけ平時に近い社会経済活動が可能となるよう取り組んでいるところだ。もはやニューノーマルという言葉を耳にすることはなく、ウィズコロナが日常化した環境にある。

昨年の世界経済はコロナ禍が続く中にありながらも前年に引き続き、需要と供給の両面で回復傾向をたどってきた。一方、ロシアによるウクライナの侵攻によって世界経済に亀裂が走ったことから、資源、資材、食料などが不足し、高騰に陥った。また年後半においてのインフレに伴う各国の対応を見るとアメリカの金利引き上げによって一時は大幅な円安となり、価格高騰が激化した。売り上げに対して原材料構成比率の高いわれわれゴム製品製造業にとってのダメージは甚大で、加えて世界の分断により原材料の安定供給面での問題も顕在化した。また半導体不足による自動車の減産に伴い関連するゴム工業品や自動車用ホースなども大きな影響を受けた。事業規模や製造品目など各社とも事情が異なるので一概には言えないが、業界全体で見ると想定外の困難に対峙した一年であった。現在も想定外のことが常に起こり得る環境、つまり変化が常態化している環境にわれわれは身を置いていると言え、得てして目先のことだけにほんろうされがちであるものの、こうした時代には大きな流れを見なければならない。

ゴム産業にとって最大の需要先である自動車業界は中長期的に見ても変革の真っただ中にある。これまでとは異なるプレーヤーが参入し、CASEやMaaSという言葉で語られるキーワードの一つひとつが、実社会の中で現実化されていく流れにある。これをチャンスとしてとらえ、自らの発展へとつなげていくためにも、われわれは技術革新とモノづくりの進化を追求し続けていきたい。次世代モビリティを求める地球環境の時代にあって2050年のカーボンニュートラルに向けた活動はもはや社会的な使命であり、当会はそのマイルストーンである2030年の目標への取り組みをはじめ、技能実習評価試験制度の運営、SDGsへの対応など社会的な責任を果たし、努めて社会の要請にこたえていく必要がある。

今年は当会において各種の重要な事業が本格化する年であり、会員の皆様、関係者の方々のご理解と支援が欠かせない。ぜひ積極的にご意見とご協力をお寄せ頂きたい」と述べた。

幹事会では、2022年の新ゴム消費見込みならびに23年の新ゴム消費予想に関する件、令和5年度税制改正関係事項、ISO/TC45国内審議委員会関係事項、労務委員会関係事項、中小企業委員会関係事項、資材関係の動向、講演会の開催についての報告がなされた。