2023年2月25日

2022年12月期決算発表
ブリヂストン

売上収益は初の4兆円超
23年さらに上目指す

ブリヂストン(石橋秀一Global CEO)は2月16日、オンラインによって「決算説明会」を開催した。売上収益は前期比26・6%増の4兆1100億7000万円、調整後営業利益は同22・4%増の4826億2900万円、営業利益は同17・1%増の4412億9800万円、当期利益は同23・8%減の3003億6700万円となった。売値・MIXの改善・販売数量増加によるプラス影響で、原材料高騰・インフレによるコスト面のマイナスをすべてカバー。為替による追い風もあった。稼ぐ力の再構築を継続推進し、ROICについても前年比で0・4㌽改善。グローバル生産体制を基盤としたフレキシブルな供給マネジメントに加え、断トツ商品力が大きく貢献したことで、PSR―HRD(18㌅以上)やORなどの領域での販売シェアも伸ばした。「売上収益は当社初の4兆円超となり、強いブリヂストンに近付いた。さまざまな厳しい環境に見舞われながら頑張った成果と受け止めているが、目標はもっと高く設定しており、2023年はさらに上を目指す」(石橋Global CEO)。調整後営業利益の増減要因は原材料高騰による2350億円、加工費増で690億円(生産現場改善活動による効果により120億円圧縮)、営業費増で670億円(このうち海上運賃単価影響180億円)、南米通貨の影響で170億円のマイナス要因があったが、売値3250億円(うち指数連動価格による影響400億円)、為替差益900億円、MIX330億円、その他203億円、数量80億円の増益要因が大きく上回った。

セグメント別の業績は、日本における売上収益は前期比19%増の1兆363億円、調整後営業利益は同20%増の1403億円。乗用車および小型トラック用タイヤならびにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年を上回り、堅調に推移した。加えて鉱山・建設タイヤビジネスの堅調さにも支えられた。米州の売上収益は同37%増の1兆9880億円、調整後営業利益は同32%増の2512億円。北米タイヤ事業において、乗用車および小型トラック用タイヤならびにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年を上回り堅調に推移した。欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカの売上収益は同25%増の8700億円、調整後営業利益は同58%増の664億円。欧州では、乗用車および小型トラック用タイヤの販売本数は前年を上回り順調に推移、トラック・バス用タイヤの販売本数は前年を上回っており好調に伸びた。中国・アジア・大洋州の売上収益は同18%増の4570億円、調整後営業利益は同5%減の399億円。乗用車および小型トラック用タイヤならびにトラック・バス用タイヤの販売本数は前年を下回った。一方、各国での値上げによる売値上昇や円安の進行により売上収益が押し上げられた。

化工品・多角化事業(継続事業ベース)の売上収益は2781億円、調整後営業利益は95億円。このうち化工品事業の売上収益は1560億円、調整後営業利益68億円、スポーツ・サイクル事業の売上収益が663億円、調整後営業利益0億円、米州多角化事業(空気バネ)の売上収益は518億円、調整後営業利益19億円。

今期については売上収益を前期比1・0%増の4兆1500億円、調整後営業利益を同5・7%増の5100億円、継続事業のみの当期利益3400億円を見込んでいる。