2022年12月期決算発表
TOYO TIRE
売上高過去最高更新
改善を図り、収益上げる
TOYO TIRE(清水隆史社長)は2月14日、オンラインによって「決算説明会」を開催した。それによると売上高は前期比26・3%増の4972億1300万円、営業利益は同17・0%減の440億4600万円、経常利益は同8・7%減の510億3500万円、当期純利益は同16・0%増の479億5600万円となり、売上高は過去最高を更新した。原材料コストが想定を下回ったことなどから、営業利益は昨年11月公表の予想を上回ったが、為替の急激な円高進行を受け、第4四半期において営業外で為替差損を計上したことから経常利益、純利益は予想を下回った。「売り上げ面においては増販や商品MIX、適正価格への価格改定の効果もあって成果は引き出せた。セルビア工場の先行投資は計画に織り込み済みながら、外部環境に端を発する米国におけるディーラー在庫の問題もあり、取り組むべき課題は多い。厳しい環境において、改善を図りながら収益も上げていきたい」(清水社長)と意欲を示した。営業利益における増減要因は販売要因で377億円、為替差益で145億円のプラス要因があったが、原材料の高騰による影響で279億円、海上運賃の高騰により219億円、セルビア工場立ち上げコストで46億円、製造コスト増46億円、販管費増15億円、自動車部品事業の減益6億円の収益圧迫要因に抑え込まれた。
事業別の状況は、タイヤ事業の売上高は前期比28・5%増の4557億9600万円、営業利益は同15・3%減の466億3600万円。北米市場における市販用タイヤについては、今年から販売開始した新商品OPEN COUNTRY R/T TRAILやNITTO NOMAD GRAPPLERなど、同社が強みとしている大口径ライトトラック用タイヤやSUV用タイヤ、トラック・バス用タイヤ等の重点商品を中心とした販売に注力したことにより、販売量は前年度を上回った。売上高は値上げや重点商品の拡販による商品ミックスの改善もあり、販売量以上に前年度を大きく上回った。欧州市場における市販用タイヤについては、欧州各国での需要の回復などにより、販売増の効果が見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢に伴うロシアや周辺地域への販売停止の影響を受け、欧州全体では販売量は前年度に対して大きく伸び悩んだが、売上高は前年度並み。国内市場の市販用タイヤについては特に第4四半期では全国的な天候要因により、冬タイヤの販売が伸長。重点商品を中心とした販売に注力したことで、販売量は前年度を上回った。売上高も値上げや重点商品の拡販による商品ミックスの改善により伸びた。新車用タイヤについては、半導体不足による自動車メーカーの減産の影響を受けたものの、販売量は前年度を上回った。売上高は原材料市況高騰の一部を価格に反映できたことから、前年度を大きく上回った。
自動車部品事業の売上高は同6・1%増の413億4600万円、営業損失は25億9100万円(前年度は20億800万円の損失)。新型コロナ感染拡大に伴う部品供給、半導体不足による自動車メーカーの減産の影響を受けたが、原材料市況高騰の一部を価格に反映できたことで増収した。
今期の売上高は前期比8・6%増の5400億円、営業利益は同13・5%増の500億円、経常利益は同15・7%減の430億円、当期純利益は同39・5%減の290億円を見込んでいる。