BASF
バイオポリマー生産
能力確立で量産販売可能へ
BASF(マーティン・ブルーダーミュラー会長)は、アジアの顧客へのサポートを一層充実させるため、バイオポリマー「ecovio(エコバイオ)」の生産設備を中国・上海に設置する。評価、検証が順調に完了でき次第、2023年半ば以降にアジア太平洋地域全土での量産販売が可能となる。初めに販売されるコンパウンド製品には、生分解性認証を受けたレジ袋や有機ゴミ袋、生分解されて土に還る農業用マルチフィルム、包装材向けのフィルム用グレードが含まれる。これによりアジア太平洋地域の顧客は、同社の革新的なバイオポリマーとサービスをより短い納期で調達し、現地のプラスチック規制の動きにも速やかに対応可能となる。
ecovioは、生分解性認証を受けているほか、国際規格や各国の規格に基づいて認定された高品質のバイオポリマー。PBAT(生分解性脂肪族―芳香族コポリエステル)である「ecoflex(エコフレックス)」と再生可能原材料の混合で、工業用コンポストや家庭用コンポストのほか、農地でも微生物によって生分解される。一般的な用途は有機ゴミ袋、食品包装用フィルム、果物・野菜用袋のほか、農業用マルチフィルムや食品包装材。
同社のバイオポリマーは、欧州の食品接触材規則や米国食品医薬品局の食品接触物質通知の要件を満たす、数少ない生分解性ポリマー。研究では生産、梱包、食品の品質保持期限、食品廃棄物の収集におけるecovioの利点が実証されている。堆肥の増加によって食品廃棄物が削減され、栄養物が土壌に還元されるほか、農地における残留性マイクロプラスチック蓄積も回避される。これが有機資源のリサイクルによる栄養物の継続的な循環につながり、循環経済に貢献する。