2023年6月30日
豊田合成
蒸気使用量低減技術
ゴム製品生産工程へ適用拡大
蒸気で加熱する大型の缶(奥)とゴムホース(手前)
豊田合成(齋藤克巳社長兼CEO)と豊田中央研究所(本社・愛知県長久手市、中西広吉所長兼CRO)は、ゴム製品の生産工程におけるエネルギー使用量を低減する新技術を共同で開発した。
ゴム製の自動車用ホースは弾性を持たせるため、成形後に高温の蒸気で満たした大型の缶に入れて加熱される。その際、所定の温度まで上昇させるために大量の蒸気を使用しており、蒸気を作り出すために使用するガスを大量に消費していた。
豊田合成は蒸気の使用量を減らすため、缶内の空気を蒸気に入れ替えるプロセスに着目、内部の気流や熱分布を高い精度で解析できる豊田中央研究所のシミュレーション技術を活用し、入れ替え時に必要な蒸気量を従来から半減させる技術(特許共同出願中)を開発した。この省エネ技術は、豊田合成の森町工場(静岡県周智郡)で活用されており、年間110㌧のCO2削減につながる。
今後、国内外においてゴム製品の生産工程への適用拡大を予定しており、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて取り組みを推進していく。