2023年6月30日

ニシヤマ
「2023年第77回ニシヤマ会」

同社初の売上高400億円突破

技術開発型専門商社のニシヤマ(西山正晃社長)は6月9日、東京都千代田区の帝国ホテルで「2023年第77回ニシヤマ会」を開催した。同社の主要な取引先を招いて事業の近況と今年度の方針などを説明するもので、当日は同社の首脳陣をはじめ、多くの仕入れ先が参加して盛大に行われた。

開会に先立って西山博務会長は「本日は、ここに集われた皆様と当社がともに成長していくための取り組みを含め、昨年度(2023年3月期)の業績と今期の方針や中期経営経営計画について説明させて頂きたい。皆様からも良いアイデアがあればぜひご提案頂いて、より良い新商品の開発につなげていきたい」と、あいさつ。

引き続き登壇した西山社長は22年度の業績と今期の計画について説明を行った。西山社長はまず同社の経営ビジョンに触れ、「独創的な商品とサービスを提供することで、お客様に未来を担保されるような企業を目指していくという指針は今後も変えずにまい進していく。営業活動の方針としては『絶対優位となるユニークな技術を持ち付加価値を生み出す』ということ、パートナーである『優良な仕入先とともにいかなる困難も克服する』ということ、『粘り強い忍耐力と知識を備えた人材を育成する』という3つの方針を掲げて22年度も推進してきた」と前期を振り返った。

22年度の売上高は前年比7%増の405億300万円となり、同社としては初めて売上高400億円の壁を突破。原材料の値上がりを背景として仕入れ価格が高騰したものの、顧客への価格転嫁を実施できたことが全体の売上高を押し上げた。事業部ごとの業況については、エネルギー事業部の売上高は同11・8%増の80億8900万円、鉄道車両事業部の売上高は同7%増の73億1300万円、産業機器事業部の売上高は同11・7%増の83億7000万円、電子制御事業部の売上高は同2・3%増の157億3400万円、国際事業部の売上高は同6・9%増の9億9800万円となった。「全事業部において前年実績を上回り、計画数値を達成することができた。22年度は厳しい環境下においても非常に良い成績を残すことができたと考えている」(同)。

各事業部の活動概況としては、エネルギー事業はガス分野で使用済みガスメーターのリサイクルビジネスをスタート。また、リビング分野では大手住宅設備会社の米国工場と新たな取り引きを開始した。鉄道車両分野では、新型コロナによる移動制限が緩和され、収益が回復。新たな案件としては運転手の居眠り検知システムや車内の各種監視カメラなど大型案件を複数受注した。産業機器分野では、建設機械の次世代水素エンジン開発案件で水素センサの試作を受注したほか、衛星放送中継車および台湾向け機関車における車両艤装案件が売り上げに大きく貢献。電子制御分野では重要商品の位置付けである超低温チラーが高い省エネ効果を実現する温調システムの開発で大きな成果を獲得した。そのほか国際事業では、インドネシアにおいてジャカルタ都市高速鉄道向けの大型オーバーホール案件を受注しており、同鉄道からはベストサプライヤー賞も受賞している。

23年度については前年比2・9%減の売上高393億円を計画。ほぼ全事業部で堅調に推移することを見込んでいるものの、半導体関係の需要が直近では伸び悩んでいる状況などを織り込んでいる。

今期から始動した25年度を最終年度とする中期経営計画においては、持続可能な事業基盤の構築に向け「~柔軟に発想2025柔軟に創造~」をテーマに設定。人材育成による営業力の強化を軸に、新規分野・市場への参入を推し進めながら戦略パートナーとの協業や海外営業の強化を図っていく。定量目標については25年度は前年比11%アップとなる売上高450億円を掲げて推進する。

引き続き開かれた懇親会では、乾杯の発声を行った十川ゴムの十川利男社長が「新型コロナが収束に向かいつつある今こそ新しい流れに乗って、ニシヤマ様を中心にここに集った皆さんとともどもに発展していきたい」とあいさつ。同社長の勢いのある発声を合図に、にぎやかな懇親の宴が幕を開けた。