ランクセス
倉庫と品質管理ラボ棟開設
豊橋事業所、新工法でコスト削減
ランクセス(マティアス・ツァハトCEO)の日本法人であるランクセス(本社・東京千代田区、ジャック・ペレズ社長兼CEO)は10月4日、愛知県豊橋市に所在する豊橋事業所内に新しい倉庫および品質管理(QC)ラボ棟を開設した。
ランクセスのラインケミービジネスユニットは、愛知県・豊橋市に製造施設および品質管理(QC)ラボを運営している。新しい倉庫は今後、同ビジネスユニットが製造するゴム添加剤製品および原材料の保管の拠点となる。新しいラボ棟もまた、主に国内の顧客向けに製品の品質管理の役割を担う。
ペレズ社長兼CEOは「この度、日本市場への継続的なコミットメントを象徴する新しい倉庫とラボ棟を開設できたことを大変うれしく思う。今後、豊橋の製造拠点において重要な役割を果たしてくれることを期待している」と、述べた。
ランクセスの新しい倉庫施設は約330平米の広さで、太陽工業(本社・大阪市淀川区、能村祐己社長)のガラス繊維を使った塩化ビニル(PVC)をベースとした膜素材「CMX220」を使用したテント構造を採用。この軽量でシンプルな構造を採用したことにより、従来の工法で建てられた倉庫と比べ、建設にかかる期間が約60%、コストが約40%削減された。太陽工業の膜材には酸化チタン(TiO2)コーティングが施され、光触媒作用による優れた防汚機能により、高い透光性を長期にわたり確保することで、倉庫内の明るさを確保し、日中の照明を最小限に抑えることが可能となる。また、この膜材は日射の反射率が75%以上と高く、倉庫内の温度上昇を大幅に抑制できることから空調効率が向上し、照明や空調にかかる消費電力の削減にも貢献する。
ランクセスの豊橋事業所は、大手自動車メーカーや化学メーカーの製造拠点が多く立地する愛知県豊橋市の明海(あけみ)臨海工業地区に位置し、1984年の設立以来、約40年間にわたり事業を行ってきた。豊橋事業所内にあるラインケミービジネスユニットの製造拠点では、グラニュール、チップ、シートなどといったさまざまな形状の高品質な予備分散ゴム薬品「Rhenogran(レノグラン)」と「Rhenoslab(レノスラブ)」を製造。RhenogranおよびRhenoslabは豊橋事業所において90年より製造されており、主に国内のタイヤ、テクニカルラバー、自動車、機械、靴、パーソナルケア、建設業界の顧客向けに提供を行っている。
併設の品質管理(QC)ラボでは事業所内で製造された製品サンプルの密度、硫黄分、灰分、ムーニー粘度、分散等、厳格な基準に基づいて品質試験を実施し、製品の品質管理が行われている。
同拠点ではそのほかに、液体高純化テクノロジーズ・ビジネスユニットのカスタマー・テクニカル・サービス・センターの運営を行っている。