積水化成品工業
エスレンシートＰＺシリーズ

積水化成品工業（柏原正人社長）は、プラスチック使用量の削減を可能にする大型容器向けの新たな素材として「エスレンシートＰＺシリーズ」を、食品トレー容器メーカーのエフピコ（安田和之社長）と共同で開発した。

発泡体の特長である省資源・軽量性に加えて、これまでの課題であった耐衝撃性・表面平滑性・成形性を向上させ、エフピコの成形技術や金型設計技術と融合させることで、従来は不可能と言われてきたふたとの嵌合性を必要とする大型寿司容器など、非発泡容器市場への展開が可能となった。

エフピコの「祝賀桶」シリーズは、ハカマ形状のデザインが特長的で人気を博している大型の寿司容器。これまで、ＨＩＰＳソリッド（耐衝撃性ポリスチレン樹脂を使用した非発泡で成形性が良い）素材を使用していたが、プラスチック使用量の削減に対するカスタマーニーズにこたえ、今回協働でエスレンシートＰＺシリーズを開発した。

複雑な容器形状にも対応できる成形性を有しているエスレンシートＰＺシリーズ素材に切り替えることにより、寿司容器の祝賀桶シリーズはプラスチック使用量を削減しただけでなく、非発泡樹脂成形品と比べて５０～６０％の軽量性を実現した。

また、祝賀桶シリーズのみならず、凹凸形状が多く成形難易度が高い「氷河桶」シリーズにも採用され、大幅な軽量化にも成功している。

積水化成品工業のエスレンシートは、ポリスチレン樹脂を発泡させて押し出したシート（ＰＳＰ）で、発泡シートの特性である省資源・軽量性・保温性・保冷性などの特長から食品容器として幅広く使用されている。