2024年1月20日

新春トップインタビュー2024
東部工業用ゴム製品卸商業組合

組合活動活気づく
参加意義高い企画を推進

【昨年を振り返って】
ゴム業界を取り巻く環境については、引き続いての新型コロナウイルスの拡大、値上げ、モノ不足という3つのマイナス要素によって、さまざまな影響を受けた一年であった。

主力需要分野の動向に目を向けると、一昨年までは活況であった半導体が減速したほか、部品調達の問題に起因して工作機械、射出成形機、ロボット関係が減産したことで、商社の事業においても少なからず影響を受けた。

われわれ商業者においては、取り扱い製品の価格転嫁に伴って増収を見込んでいた一年であったが、終わってみれば伸び幅としては微増であり、一方、利益面では増益を確保した会社だけではなく残念ながら減益の会社もあったようだ。売り上げが伸びたものの、利益面で前年水準に届かなかった点については企業ごとで判断が別れるところだが、全体的な流れとしては増収を果たした企業が大多数を占めていたことで、プラスとマイナス両面の影響がある中でも決して悪い一年ではなかったととらえている。

【組合活動について】
2021年5月、コロナ禍において理事長に就任した時から、〝できる工夫をして、できる行事を開催していく〟を基本方針として一つひとつの行事を復活させてきた。

一昨年は新年会をはじめ、野球大会(コロナの影響により初日のみで中止)、秋の寄席会などの開催を見合わせたが、昨年は新年会を着席スタイルで開催し、野球大会も最後まで無事に開催でき、鈴本演芸場における寄席会も実施して、4年ぶりにすべての行事を開催することが叶った。

6月には、多くの賛助会員、組合員が参加して「商品展示説明会」を開催、当日は約800名の来場者で盛況であった。これだけのゴム・樹脂の企業が一堂に会する展示会はなかなかない中、来場者には製品知識を高めるための絶好の機会として好評を得た。展示会終了後には、コロナ禍では開催できなかった懇親会も再開できたので、商工間の懇親を図りながら情報交換を行うことができ、有意義な一日となった。

コロナ禍で導入した新たな取り組みとしては、各種の講習・研修会および理事会・各部会において、ウェブによるオンライン会議での参加と、会場への出席の〝ハイブリッド〟で会合を開いてきた。7月に開催したゴムの勉強会ではオンラインによる参加者は実に250名を超えた。会場への移動がないため参加しやすいこともウェブ開催のメリットであり、今後も対面式とオンラインをうまく使い分けながら、各種の行事を開催していきたい。

11月には、当組合墨東支部と台湾ゴム・エラストマー工業会との交流会を開催した。組合からは27名、同工業会からは34名が参加してにぎやかに行われ、双方の団体名をあしらった扇子を記念に贈ったところ、とても喜んで頂けた。

【現状の課題点を挙げるとすれば】
当組合だけではなく各地区とも抱えている問題ではあるが、組合員数が微減ではあるものの、減少傾向にあることは否めない。退会の理由としては、主に後継者不在による廃業やM&A等と防ぐことは難しいが、今後も新しい会員に加入してもらうための努力を惜しまず、引き続き組合の活性化に向けてまい進したい。会員の減少に歯止めをかけるためには、各種行事に一人でも多く参加してもらい、組合活動への理解を深めてもらうことが大切だと考えている。事業に役立つ情報を、日ごろのコミュニケーションを通して得られることも組合の大きな存在価値であり、そうした組合のメリットを感じてもらえるような活動を心掛けながら進めていきたい。組合の長きにわたる伝統を重んじながらも、これからは時代に沿った取り組みも必要になってくるだろう。今年度の行事の予定は既に決定しているが、新年度では新しい行事も検討を重ねて実施していきたいと考えている。

【今年の組合活動について】
年明けの商工新年会は、4年ぶりに立食スタイルで実施した。例年、200名を超える人数が集まる催しのため、会場はスペースに余裕がある大会場を押さえ、引き続き参加者の安全に留意しながらにぎやかに開催した。

また、野球大会については開催時期を変更しており、例年8月開催のものを3月10日からの開催とした。夏場の行事として継続してきたが、近年では年々猛暑の勢いが増しており、参加者の健康面に配慮した。77回の開催実績がある伝統的な取り組みを、選手の皆さんにはより安全な環境で力いっぱいプレイに臨んでほしい。

【新年の抱負と意気込みを】
昨年からはコロナが第5類に移行し、さまざまな規制が緩和したことで、ようやく組合活動が正常化して活気づいてきた。今年も一人でも多くの方に行事に参加してもらうため、工夫を凝らしながら参加者に役立つ企画を実施していきたい。現時点では、まだ具体的なアイデアは固まっていないが、ウェブを活用したハイブリッドの取り組みなども若い世代のメンバーからの提案で実現したものだ。

これからも皆さんの意見を取り入れながら、会員が組合に参加して良かったと思えるような活動を推進していきたい。