2024年2月10日

BASF
中国・TPU工場竣工

世界最大の単一生産ライン

BASF(マーティン・ブルーダーミュラー会長)は、中国・湛江フェアブント(統合生産拠点)における熱可塑性ポリウレタン(TPU)工場の竣工を発表した。新工場は、同社にとって世界最大のTPU単一生産ラインとなり、スマートファクトリーとして、自動誘導車両や高度な制御システムなどの先進技術を備え、効率性の高い設計が特長となっている。

同社のパフォーマンスマテリアルズ事業本部プレジデントであるDr.マーティン・ユング氏は「新工場はアジア太平洋地域の産業、e―モビリティ、新エネルギーの各分野におけるTPUの市場需要の高まりにこたえるだけでなく、中国とアジア太平洋地域の主要な顧客産業により近い距離で対応ができるようになる。この工場で、私たちはアジアにおける革新的でリサイクル可能なElastollan(エラストラン)TPUソリューションの供給を強化し、よりサステナブルな未来に向けた〝プラスチックジャーニー〟を今後も歩んでいく」と、述べている。

同社は湛江フェアブント拠点における最初の工場として、エンジニアリングプラスチックのコンパウンド工場を2022年に竣工し、クリエーションセンターにおけるイノベーション能力、アジア太平洋地域における広範な研究開発(R&D)ネットワーク、革新的な材料ソリューションで、同地域における顧客の需要の高まりに対応できる体制を整えている。同社の研究開発ネットワークはエンジニアリング、シミュレーション、製造のノウハウを提供し、市場の需要や自動車の電動化、電子デバイスの小型化などのトレンドに合わせて、顧客のイノベーションや製品開発を後押ししている。

湛江フェアブント拠点プロジェクトは計画通り進行しており、初期段階の建設は終了している。現在、スチームクラッカーや石油化学品、中間体などを生産する複数の川下工場を含む、フェアブントの中核となる施設の建設に注力している。同社は、湛江フェアブント拠点を持続可能でスマートな生産のロールモデルとして構築することに取り組んでいる。

同社では25年までに湛江フェアブント拠点全体を100%再生可能エネルギーで稼働させる計画を立てている。この新たなフェアブント拠点への投資は、完成時には約100億ユーロとなるBASF最大規模のものとなる。この拠点は同社の単独責任で運営され、ドイツ・ルートヴィッヒスハーフェン、ベルギー・アントワープに次ぐ、同社にとって世界第3位のフェアブント拠点となる。