日本ゼオン
COPリサイクルプラント竣工
日本ゼオン(豊嶋哲也社長)は、水素化ニトリルゴム、電子材料、医療器材、プラスチックフィルム等の生産を行っている高岡工場(富山県高岡市)においてシクロオレフィンポリマー(以下、COP)のリサイクルプラントが3月5日に竣工したことを発表した。同社が自社製品のリサイクルに取り組むのは初めてのことであり、本プラントの竣工はCOPのさらなる差別化とともに、CO2排出削減を通じた持続可能な社会の実現に寄与する。
同日、現地で行われた竣工式には来賓として富山県および高岡市ならびに周辺自治会、施工関係者を招待。同社からは田中公章代取締役会長、高岡工場長の小瀬智之執行役員ほか、関係者を合わせ、44人が参加した。
今回新たに竣工したリサイクルプラントは、2022年夏から工事が進められていたもので、COPをフィルムに加工する際に発生する廃棄樹脂を再生する。プラント敷地面積は約1万2000平方㍍、年産能力は6000㌧。CO2発生量はリサイクル樹脂は未使用樹脂に比べ、製造時のCO2発生量を年間約1万2000㌧削減する。
COPフィルム(製品名「ZeonorFilm」)は、COPが持つ光学特性や低吸水性といったほかにはない優れた特長を生かして、ディスプレイ用位相差フィルムとして幅広く使用されており、リサイクル樹脂においても未使用樹脂と同様に高い品質が要求される。これまでの一般的なリサイクル技術では、透明性や純度に課題があったが、同社が手掛ける画期的なリサイクル技術によって未使用樹脂と同等の品質レベルまで再生が可能となった。リサイクルされた樹脂はフィルム製造に再利用される計画で、今後も拡大が見込まれる市場ニーズにこたえていく。