2024年4月30日

長瀬産業
SAPの新グレード開発に成功

海洋生分解性を確認
26年度中の上市目指す

長瀬産業(上島宏之社長)と、NAGASEグループの中核製造会社・ナガセケムテックス(本社・大阪市西区、藤井悟社長)、ナガセヴィータ(本社・岡山市北区、安場直樹社長)は、高バイオマス度の高吸水性ポリマー(SAP)の新グレードの開発に成功し、第三者機関による試験(ASTM D6691)で、海洋生分解性認証に求められる分解性(海洋中180日間で90%以上の分解)を示すことが確認されたことを発表した。同開発は、育成領域である研究開発機能を活用したバイオ分野での素材開発の一環として2026年度中の上市を目指し、ナガセケムテックスで量産技術の確立と生産体制の構築を進めていく。

SAPは高い吸水性能を有する高分子材料で、紙おむつを中心にナプキンなどの衛生用品や、農業、緑化分野など幅広い分野で使用されている。従来品の多くは石油由来かつ非生分解性で環境負荷が大きいことが課題で、環境負荷の少ない天然由来かつ生分解性を有するSAPの研究開発が行われてきたものの、十分な吸水性能が得られず、最終製品としての活用は難しいとされていた。これに対してNAGASEグループでは、ナガセヴィータの有する酵素技術と、ナガセケムテックスの樹脂製造技術を掛け合わせ、でんぷんを主原料としてバイオ由来原料の比率を高めながら、吸水性能を最大限に引き出したSAPの開発に昨年2月に成功した。

今回開発された新グレードのSAPは海水中で分解される特性により、緑化や農業用の保水材として土壌で使用し、河川などを通じて海に流れ出た場合でも、プラスチックごみとして残存する量を削減することができる。海洋中のマイクロプラスチック化が問題視されている製品に使用することで、より環境に配慮したものづくりへの貢献が期待できる。今後はESG投資の拡大やSDGs意識の高まりなどを背景に、環境対応製品の開発に注力する企業や自治体などに向けて販売を行っていくことを想定している。