2024年4月30日

豊田合成
UVーC LED開発

世界トップクラスの光出力

豊田合成(齋藤克巳社長兼CEO)は、除菌用の水銀ランプの代替光源として性能向上が期待されるUV―C(深紫外線)LEDにおいて、世界最高水準となる光の出力を実現し、水や空気などの除菌用途での利用拡大を推進する。

UV―Cはウイルスや細菌の遺伝子情報を破壊し、増殖を抑える効果があるため各種除菌に用いられている。除菌用の水銀ランプと比べ、UV―C LEDは水銀フリーで環境負荷が低く、小型かつ長寿命といった利点があることから、コロナ禍で空気や物の表面などの除菌機器向けに利用が拡大した。しかし照明用のLEDとは組成などが異なることから出力に課題があり、浄水場など高い除菌能力が必要とされる場面では現在でも水銀ランプが使用されている。

今回同社は、長年培ってきた青色LEDの結晶化・設計技術を応用し、1チップで200㍉㍗級の光の出力(350㍉㌂の電流での駆動時)を実現した広角光・狭角光の2タイプのUV―C LEDを開発した。LEDの素子構造などの改良を行い、取り出せる光の量を約4倍に増大させたことによって消費電力の低減、除菌可能な水流量の増加、製品の小型化(LED個数減)、製品の寿命延長(電流値低減)、除菌能力が約3倍に高まるなど、将来的な水銀ランプの代替も含めてUV―C LEDの活用領域が拡大することで、より衛生的で安心・安全な暮らしの実現に貢献する。

今月から日本・中国・韓国でサンプル販売を始め、その他の地域においても順次開始予定となっている。