2024年4月30日

住友ゴム工業
東レと共同開発契約

車いす用可搬形スロープ次世代モデル開発

住友ゴム工業(山本悟社長)と東レ(大矢光雄社長)は、車いす用可搬形スロープの次世代モデル開発に向け、共同開発契約を締結した。今後、両社の技術力と知見を融合し、より安全・快適な性能およびメンテナンス性の向上に取り組み、介護現場の課題解決に貢献していく。

超高齢社会において、介護現場では65歳以上の高齢者がその親や配偶者などを介護する老老介護の件数は年々増加しており、介助負担の軽減は喫緊の課題となっている。

住友ゴム工業が開発する「ダンスロープエアー2」は、東レが開発した炭素繊維複合材料(CFRP)が採用されている。剛性強度を確保しながら、車いす用可搬形スロープの業界では初めて、中空構造とすることで、JIS認証品の車いす用可搬形スロープにおいて、業界最軽量クラスを実現し、持ち運びが簡単で使いやすくなった。さらに、車いすがスロープに乗り上げた時の衝撃も低減(住友ゴム工業従来品「ダンスロープエアー」比)することが可能となった。

今回の共同開発契約締結によって開発コンセプト立案の初期段階から、両社で設計・開発目標を共有し、最適な材料の選定、形状・設計シミュレーション、試作・評価を行うことで、高性能なCFRP製スロープをスピーディーに開発し、顧客に届ける。
 住友ゴム工業は約15年にわたるスロープ開発で培った知見と技術で、車いすの利用者だけでなく、ケアする人までケアする技術「GREAT CARE Technology」を進化させるとともに、顧客ニーズを取り入れ、さらなる軽量化と耐久性能の向上を目指す。

一方、炭素繊維のパイオニアである東レは半世紀にわたり、炭素繊維「トレカ」の技術革新を進めてきた。またCAE解析技術や成形技術の開発を通じて炭素繊維の普及、市場開拓を継続しており、今回の共同開発においては、最適な材料の選定、形状・設計シミュレーション、試作・評価を行い、住友ゴム工業の製品開発を支援する。両社はそれぞれの技術、知見、強みを活用して、より良い製品の開発を目指す。

さらに、車いす用可搬形スロープで培った両社の技術と知見を生かし、労働力不足により、効率的でスピーディーな積み下ろし作業のニーズが高まる、物流台車用スロープの開発にも新たに取り組んでいく。