2022年2月5日

日本ミシュラン
パイロットスポーツ新製品発表

新たな価値を付加
デザイン性にもこだわり

日本ミシュランタイヤ(須藤元社長、以下、ミシュラン)は1月28日、「MICHELIN PILOT(ミシュランパイロット)シリーズ」の新製品発表会をオンラインにおいて開催した。レースで培ったテクノロジーを採用することにより、優れた応答性と操作性を実現したダイナミックスポーツタイヤ「MICHELIN PILOT SPORT5(ミシュランパイロットスポーツファイブ)」で、「ミシュランパイロットスポーツ4」を進化。タイヤサイズは17㌅の205/40ZR17(84Y)XL~21㌅の255/35ZR21(98Y)XLまでの全43サイズで、3月8日から順次発売する。価格はオープン価格。

発表会の冒頭、あいさつに立った須藤社長は「本日は新たな価値を付加し、現代に求められる新しいミシュランパイロットスポーツを発表する。タイヤに求められる性能として安全性と快適性、経済性などが挙げられるが、ミシュランではユーザーニーズや社会の課題に対して、特定の性能だけに特化することなく、すべての性能を要求レベル以上の水準で満たしている。さらには、その性能が長く持続するという開発姿勢をコンセプトにタイヤ開発を行っている。スポーツタイヤに求められる性能としては、〝よりスポーティーな走りを体験したい〟〝どこでも気持ちよくドライブしたい〟〝もっと格好よく走りたい〟などといった項目が挙げられる。性能だけでなく、ユーザーがタイヤに求める要素の先には、ドライバーとしての本来の目的があり、ドライバー一人ひとりが持つ〝感性〟をタイヤがいかに表現できるかにつながっている。今回紹介するタイヤは、そういったニーズにこたえる品質を備えており、ユーザーがそれぞれのドライビングシーンで得られる体験によって満足が得られるよう性能面だけでなく、スポーツタイヤとしてデザイン性にもこだわった」と新製品を紹介した。

続けて、乗用車・商用車タイヤ事業部マーケティング部ブランド戦略マネージャーの大河内昌紀氏が製品について説明。「ニーズを欲する消費者は、ワゴンからセダン、スポーツタイプなどさまざまな車種のオーナーであり、性能面だけでなく見た目も重視している。ドライやウエットにおけるグリップ性能、ハンドリングや高速安定性、見た目の良さといった要求性能を満たすことができるシリーズがミシュランパイロットシリーズであり、新製品では〝より深い黒さ〟にこだわって格好良さを実現した。チェッカーフラッグ越しに、黒く鮮明に浮かび上がるタイヤが車体の存在感も強く浮き立たせる。当社ではサステナビリティも重視しており、従来は欧州で生産して輸出していた体制を新たにタイや中国でも生産することによって輸送距離を短縮し、CO2削減にも貢献していく」と、開発に対する理念について述べた。

引き続き、研究開発本部PCタイヤ先行技術開発部インダストリアルデザイナーの清井友和氏がデザイン面へのこだわりについて説明。「今回の新製品には、思い入れを込めて、高級感を備えた見た目にも満足が得られるシャープな外観に作り上げた。ドライバーによるタイヤに対する魅力を挙げると視覚面も大切であり、スポーツDNAとブランドDNAが融合したデザインを採用している。車両の美しさを引き立てる漆黒の色合いでタイヤ全周を覆い尽くしており、摩耗度が3段階で分かるトレッドウェアサインの採用や、スリップサインの視認性向上により、ユーザーが長く安定して最後まで使うことができるよう細部にまでこだわったことで、ユーザビリティだけでなく、サステナブルにも貢献する」と製品に対する自信のほどを述べた。

ミシュランパイロットスポーツ5は、すべてを見直しデザインをも一新させたタイヤで、高強度で耐熱安定性に優れたハイブリッド・アラミド/ナイロンベルトを採用した〝ダイナミック・レスポンステクノロジー〟を採用。タイヤが路面と密着することで、ドライバーの意思をしっかりと路面に伝え、意のままのハンドリングを実現する。

コーナリング時における接地圧分布をより均等になるよう内部構造を最適化した〝バリアブル・コンタクト・パッチ3・0〟により、グリップ力とコントール性を高め、安定したコーナリングを実現。モータースポーツからフィードバックさせて進化させた非対称トレッドパターンによる溝形状である〝デュアル・スポーツ・トレッドデザイン〟が、ボイドレシオを上げ、排水性を高めたトレッド内側と高い剛性をもたらすトレッド外側の大型ブロックにより、ウエット・ドライ両路面でも高いグリップ力を発揮する。新たな金型技術などにより、同社の外観へのこだわりから生まれた黒を表現する〝フルリング プレミアムタッチ〟が車両に高級感を与え、日常遣いからスポーツドライビングまで、あらゆるシーンにおいて安心と走る楽しさをユーザーに提供する。摩耗度が3段階で分かるトレッドウェアサインとスリップサインの視認性を向上させた〝ウェア・トゥ・チェック〟により、タイヤを最後まで使い続けるためのサポートを行う。

新コンパウンドの採用により、43サイズ中42サイズで「A/a」を取得。スポーツタイヤでありながら低転がり抵抗を実現し、車両燃費に寄与することでサステナビリティに貢献している。ウエット路面におけるラップ短縮率は最速ラップタイムで1・7%、標準でも1・5%を達成している。

新製品発表会では、レーシングドライバーの荒聖治選手を招いてトークショーを実施。ミシュランパイロットスポーツ5のプレビューとして「プロ目線から見たタイヤのファーストインプレッションとして、常に転がりのスムーズさを重視している。装着した印象としては、路面状態に関係なくしなやかな走りを保ってくれる。スポーツタイヤといえば、路面状態に影響されるワイルドなイメージがあるが、常に思い通りにストレスなく転がってくれる。ハンドリングに抵抗感がなく、微調整も不要であることから疲れにくい。スポーツタイヤは長時間のドライブには向いていないと思われがちだが、このタイヤは快適であり安心感も抱かせてくれる。一般でもプロドライバーであっても、根底にあるニーズは共通しており、限界走行にチャレンジしている瞬間であってもストレスレスな走行性能を求める。高速域でも快適さは続くことから、サーキットでも走らせてみたい」と性能面についてコメント。外観へのこだわりについては「デザインにも目を惹かれるが、触れてみることで、プレミアムタッチのわくわく感を体感してほしい。ドライバーは、ホイールの色やデザインにこだわるが、タイヤからも高級感やプレミアム感を漂わせており、ホイールとともに車体を引き立たせる。写真映りも期待でき、自分の車に装着して走りたい」と感想を述べていた。